CMSのシェアを比較!世界・日本別TOP10、おすすめツール、選ぶポイントも解説
はじめに
CMSとは、Webサイトを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを、一元的に管理し、必要な処理をするシステムです。CMSにはさまざま種類があるため、どのCMSのシェア率が高いかは、導入時の重要な指標になります。この記事では、企業のシステム管理担当や広報など、コンテンツ制作の担当者に向け、CMSのシェアを解説します。CMSの導入検討にぜひ役立ててください。
目次
CMSとは?
まずCMSとは何か、概要や導入するメリットを交えて解説します。
概要
CMSとは、「Contents Management System」の頭文字をとった略称です。Webサイトが構成するテキストや画像、デザインなどのデジタルコンテンツを、体系的に管理できるシステムを指します。CMSを導入したWebサイトではデータベース上に保存されているWebデータを、CMSが必要に応じて取り出し、Webページを自動的に生成します。
近年のCMSは、Web制作の簡易化だけでなく、マーケティングや営業など、Web運営をトータルでサポートする役割も担っています。
導入するメリット
CMS導入のメリットは、専門知識がなくてもWebサイトの更新が簡単におこなえる点です。Web制作ではHTMLやCSSなどのマークアップ言語やPHPをはじめとするプログラミング言語の理解が必要です。しかし、スキルの習得には時間や教育のコストがかかります。その点CMSを導入したWebサイトなら、専門知識やスキルがなくてもWebページを作成できます。
また、複数人に編集権を振り分けて、Webサイトの運用を分業できるため、情報を部署間や担当者同士で共有しながら運用を進められます。
CMSの種類
全世界には、800種以上のCMSが存在するといわれています。そのなかでも、無料と有料のCMSに大別し、それぞれの特徴を解説します。
無料のCMS
無料のCMSとは、プログラムのソースコードが無償で一般公開されており、誰でも自由に修正・再配布できるシステムです。別名、オープンソース型CMSとも呼ばれます。たとえばWordPressやDrupalなどが、無料CMSの一例です。
無料のCMSは低コストで導入でき、プラグインが豊富でカスタマイズ性が高い反面、セキュリティに注意する必要があります。
有料のCMS
有料のCMSとは、ベンダーが提供するCMSです。サーバがあらかじめ用意されているケースが多いため、設備がなくてもすぐに導入できます。運用には一定のコストがかかりますが、ベンダー提供の製品だけあり、アフターサービスが整っている点が魅力です。
また、Web制作だけでなく、アクセス解析やデータベース管理など、マーケティング機能も充実しています。BiNDupやMovable Typeなどが、有料CMSの一例です。
CMSのシェア
CMSのシェアの内訳に関して、世界と日本のケースをそれぞれ解説します。
世界のCMSのシェア
W3Techsによると、2022年2月時点における世界のCMSランキングは、次の表のとおりです。
順位 | CMSの種類 | Webサイト全体のシェア | CMSのシェア |
---|---|---|---|
1位 | WordPress | 43.3% | 65.1% |
2位 | Shopify | 4.4% | 6.7% |
3位 | Wix | 2.0% | 3.0% |
4位 | Squarespace | 1.8% | 2.7% |
5位 | Joomla | 1.7% | 2.5% |
6位 | Drupal | 1.3% | 2.0% |
7位 | Adobe Systems | 1.0% | 1.5% |
8位 | Google Systems | 1.0% | 1.5% |
9位 | Bitrix | 0.9% | 1.3% |
10位 | OpenCart | 0.6% | 0.9% |
WordPressのシェアは、Webサイト全体で43.3%、世界のCMS全体で65.1%です。世界的にみると、WordPressのシェアが圧倒的に高いとわかります。
日本のCMSのシェア
日本のCMSのシェアは、どのような実態なのでしょうか。同じくW3Techsによると、2022年2月時点で、日本語を使用するCMSのランキングとシェアは次のとおりです。
順位 | CMSの種類 | Webサイト全体のシェア |
---|---|---|
1位 | WordPress | 83.7% |
2位 | Adobe Systems | 2.7% |
3位 | EC-Cube | 2.2% |
4位 | Shopify | 2.1% |
5位 | livedoor Blog | 1.4% |
6位 | MakeShop Japan | 1.4% |
7位 | Color Me Shop | 1.4% |
8位 | JustSystems Homepage Builder | 1.0% |
9位 | Futureshop | 0.6% |
10位 | Jimdo | 0.6% |
日本語を使用するWebサイトの調査では、世界のCMSシェアのような、CMSのみのシェアは公開されていません。
日本語のCMSは、Webサイト全体の83.7%がWordPressを使用しています。世界のCMSのシェアと同様にWordPressのシェアが圧倒的です。
※参考:Distribution of content management systems among websites that use Japanese|W3Techs
世界トップシェアのCMSの種類
世界的にシェア率が高いCMSは、WordPressとShopify、Wixです。それぞれのCMSの特徴を解説します。
WordPress
WordPressは日本を含めた全世界で、圧倒的なシェア率を誇るCMSです。個人用サイトからコーポレートサイトまで、幅広い層に利用されています。
WordPress自体に、ブログ機能やページ更新機能などがついており、従来のツールよりWebサイトの作成や更新が、簡単に可能です。またプラグインが豊富にあり、いろいろな機能を追加できます。
Shopify
Shopifyは、世界シェア2位のCMSです。ECプラットフォームとしては、利用者が世界最大といわれています。機能としては、自社ECサイトの構築や、既存サイトからのデータ移行ができる点が特徴的です。
通常の在庫がある商品はもちろん、コンテンツのダウンロード販売や、在庫をもたない販売などにも対応します。ShopifyはSNSとの連携ができるため、各チャネルでの商品販売も可能です。
Wix
Wixは世界シェア3位のCMSです。マウスのドラッグ&ドロップ操作や、テキスト・写真の挿入だけでWebページを作れます。マークアップ言語やプログラミング言語などの専門知識がなくても、直感的な操作のみでWebサイトの運用をスタートできます。
テンプレートは目的や業種別に600種以上用意されており、自社に最適なデザインを選択可能です。
日本トップシェアのCMSの種類
世界シェアのCMSで紹介した、日本シェア1位のWordPressと、4位のShopify以外のCMSの種類を解説します。
Adobe Experience Manager
Adobe Experience Managerは日本シェア2位のCMSです。一般的なCMSの機能だけでなく、ユーザの体験をトータルで向上させるソリューションサービスを、提供しています。
たとえばAdobe Experience Managerは、IoTに対応するデータ作成が可能です。新しいタッチポイントにおいても、パーソナライズされたユーザ体験を実現できます。
EC-CUBE
EC-CUBEは日本シェア3位のCMSです。企業・店舗の商品紹介ページや、商品の注文ページなど、ECサイトに不可欠な機能が充実しています。
またWeb制作の機能だけでなく、商品別の売上集計や在庫管理などの、マーケティング・営業ツールとしても活用可能です。ECサイトの成果を、継続的に最大化するための機能が備わっています。
MakeShop
MakeShopは日本シェア5位のCMSです。豊富なテンプレートからWebデザインを選べます。
またHTMLやCSSの知識があれば、コードを書き換えてオリジナル性の高いWebサイトの作成ができるため、自由度の高い点も魅力です。
商品の決済方法は豊富な選択肢があり、メールマガジンの機能も充実しています。
CMSのシェアの見方
日本トップシェアのCMSは、ECサイト運営に関連したCMSの導入が多い傾向にあります。しかし世界的にみるとCMSのシェアは、WordPressが圧倒的です。なぜWordPressは、上位なのでしょうか。
WordPressが上位の理由
WordPressはオープンソース型CMSなため、無料で誰でも自由に使える点が、人気の理由です。ダウンロードだけでなく、編集や再配布も自由にできます。いくらカスタマイズしても料金はかかりません。
ただしドメイン取得やサーバ設定など、Webサイト運用をはじめるためのインフラを整える必要があります。
インフラ面を強化したCMSはAcquiaがおすすめ
WordPressのメリットと、WordPressにはないインフラ面の強みをあわせもつCMSとしてAcquiaが挙げられます。Acquiaを利用すれば、サーバや開発環境、ログ管理、バックアップなどのインフラ運用もトータルでサポートされます。
オープンソースのイノベーションだけでなく、インフラ面を強化したCMSの導入を希望する企業に多く選ばれています。顧客体験を管理するプラットフォームから、インフラや開発者向けツールまで、CMSの運用や管理など幅広いサポートが保障されます。
自社に最適なCMSを選ぶポイント
最後に、自社に最適なCMSを選定するためのポイントを解説します。
運用目的にマッチするか
自社がCMSをとおして何を実現したいか、運用の目的を整理しましょう。情報発信の頻度やSNSとの連携など、CMSの種類により特徴や得意分野は異なります。
また自社の業態や提供する商品・サービス内容などに応じた、CMSの選択がポイントです。
必要な機能が搭載されているか
導入予定のCMSに、必要な機能が基本機能として搭載されているか、事前に確認しましょう。CMSはプラグインを追加することで、機能の拡張が可能です。
しかし、追加や拡張には別途多額の費用がかかる場合があるため注意が必要です。
セキュリティ対策に対応できるか
無料のCMSは自社で、ツールの保守やメンテナンス等、セキュリティ対策を講じなければなりません。
またベンダーが提供する有料のCMSは適宜、最新バージョンへのアップデートが必要です。どのようなセキュリティ対策がなされているか、事前に確認しましょう。
Webサイトの規模に合うか
継続的にWebページを増やす予定のあるコーポレートサイトは、CMS導入によりSNSとの連携の強さやスピーディーな情報発信が可能です。
対して、数ページで完結するサイトは、CMSのメリットを十分に享受できない可能性があります。
まとめ
日本では、ECサイト運営に関連したCMSのシェアが多い傾向にあります。一方、世界規模でみると、オープンソース型CMSであるWordPressのシェアが圧倒的です。
WEBSASのAcquiaは、コンサルティングからCMSの保守運用まで一貫して提供ができるCMSです。導入から運用までのサポートが手厚く、インフラ面の整備に不安な方も安心して利用できます。Acquiaの導入を検討の方は、お気軽にご相談ください。