BEAMSオムニチャネル戦略の統合顧客基盤

基本情報
- 業種
- 流通・小売
- 導入規模
- 1000~4999人
- 事業内容
-
アパレル
- 業務
-
(会員統合DB・ポイントシステムおよびポイント施策システム)
- プロジェクト期間
-
2015/6~2016/5(11ヶ月)
- サーバー環境
-
-
AWS/WEBSAS CustomerHub
-
- 実施行程
-
要件定義/システム開発/システム運用/業務運用
豊富な導入実績を参考に、貴社に合うサービス要件を提示します。
相談・お問い合わせ(無料)
老舗ブランドのロイヤルティ向上を担う WEBSAS CustomerHub
※これまで弊社が販売しておりました会員管理ソリューション「eMplex」につきまして、「WEBSAS CustomerHub」に名称変更を行いました。
課題
- 会員情報の分断、キャンペーンの二重管理
- サービス拡張の機動性に不安
効果
- オールビームスとしての一貫した会員サービス
- 拡張性に富む統合顧客情報基盤の確立
- ブランドの絶対条件である安定性の担保
株式会社ビームス
所在地 | 〒169-0074 東京都新宿区北新宿4-16-12 新光ビル |
---|---|
社員数 | 1,386名(2015年2月現在) |
URL | http://www.beams.co.jp/ |
1976年2月創業。「モノを通して文化をつくる“カルチャーショップ”」を理念に、日本の若者の風俗・文化 の変革をリードしてきた、セレクトショップの先駆けであり代表ブランド。店舗スタッフを中心に個性的な人材を擁し、商品群だけでなくサービスや企業そのものに対するブランドロイヤルティの高さが特徴である。

株式会社ビームス
事業企画本部CRM推進部
課長
山崎 勇一 氏

株式会社ビームス
情報システム本部
課長
渡辺 秀一 氏
株式会社ビームス(以下、ビームス)は、創業40年を迎えたセレクトショップの元祖。国内153店舗、海外11店舗とECサイトで展開するアパレルに加え、カフェ、雑貨、インテリア、音楽、アートなどの分野にも積極的に進出し発展してきたおなじみブランドだ。顧客一人ひとりとの“より深い結びつきを育み独自のサービスを通して交流を重ねながら好奇心をカタチに変えること”を目指す会員サービス「BEAMS CLUB」は、2017年現在約550万会員を擁する。ビームスはシステム全面刷新を機に「BEAMS CLUB」の顧客管理システムをWEBSAS CustomerHubに統合し、盤石のサービスインフラを構築したところだ。
ロイヤルティの礎・BEAMS CLUB
会員サービス「BEAMS CLUB」は2002年からスタート。親子二代にわたるファンなど、強力なブランドロイヤルティを誇るビームスにとって、顧客エンゲージメントの礎だ。年間購買金額10万円以下のORANGEステージから100万円以上のBLACKステージまで4ステージに分かれ、ステージが上がるごとにポイント付与率が上がり、ラッピング、限定セール、メンテナンスといったサービスも提供される。アパレル業界では他社も同様の取組みを行っているが、「BEAMS CLUB」は第1ステージからポイント付与率3%(最高ステージで9%)、ポイントアップキャンペーンなど、ポイントの貯めやすさやステージの上がりやすさで人気を博している。

現在の「BEAMS CLUB」は、年間購入金額に応じた4ステージごとにポイント付与率やサービス範囲を設定している。
オムニチャネル戦略の壁
「BEAMS CLUB」は、業界に先駆けて2013年にはECサイトと店舗間での共通ポイントに対応し、会員ID統合も済ませていた。しかし、「ITや店舗のあり方、顧客行動、コミュニケーションチャネルの多様化といった時代変化への対応には、限界がきていた」と事業企画本部CRM推進部 課長・山崎 勇一氏は当時を振り返る。
ボトルネックは、店舗管理システムとECシステムそれぞれに分断していた顧客データベースだった。店でもECサイトでも「会員番号XXXXXの◯◯様」という特定はできていたが、◯◯様の購買情報がリアルタイムで更新されていない。そのため、提供できる会員サービスに限界があったという。商品Aを買ったらポイント率◯%アップというキャンペーンは可能でも、店舗で商品Aを購入した〇〇様がECサイトで誕生月ならさらにプラス〇%といった、会員ごとのサービスを実現できなかったのだ。
あらかじめウェブで商品をチェックしてから店舗へ向う、あるいは店舗で試着したのち帰宅後にECサイトで注文するといったチャネル横断の購買行動が定着するなか、ロイヤルティ向上のためには、多数のチャネルを利用する会員への一貫したサービスが欠かせない。別々に顧客データベースを持たせるシステム構成は、成長の壁と認識された。ビームスが誇る顧客資産を活用しエンゲージメントを維持・向上し続けるには、オムニチャネル時代にふさわしい顧客マーケティングに対応するシステム刷新が不可避だった。
次代のロイヤルティ基盤を構築
システムの全面刷新プロジェクトは、1.ECサイトリニューアル、2.スマートフォン向けアプリ「WeBEAMS」構築、3.マーケティング・オートメーション(MA)導入、4.顧客データベース統合の4つのプロジェクトを同時に進行させた。
店舗とECサイト、提携先といったあらゆるチャネルでロイヤルティ向上を図るには、お客様との接点となるシステムの刷新だけでなく、その礎となる顧客データベース統合が不可欠だとビームスは判断した。
「既存システム上でアプリと顧客データベースのデータ交換をスピーディに行おうとすると、相互の関係設計があまりに複雑なことは明らか」(山崎氏)。システムごとの特性に制約を受けない機能として顧客データベースを独立させることにより、新技術対応や外部パートナーなどのチャネル拡大といった、今後も続く成長に耐えるロイヤルティ基盤の確立を目指したのだ。
安定性と拡張性で
迷わずWEBSAS CustomerHubを採用
ビームスの場合、統合顧客基盤の選定には、ほとんど迷いがなかったという。「そもそもポイント管理に優れたシステムは選択肢が少なかった。そのなかでWEBSAS CustomerHubとSaaS型サービスを検討したが、変わらず使い続けるシステムとしては、パッケージがふさわしいと判断した」と、情報システム本部 課長・渡辺秀一氏はいう。数年間のコスト試算では大きな違いがなかったものの、「10年後も利用し続けることが前提」(渡辺氏)の統合顧客基盤としては、WEBSAS CustomerHub以外のパッケージでは条件が合わなかったのだ。
「BEAMS CLUB」は、ビームスにとって「変わらないもの。大きな軸」(渡辺氏)である。一方、消費行動やコミュニケーションチャネル、また連携すべき外部サービス等の変化は今後もますます短期化、多様化が予想される。変化は起きるという前提に立ったビームスにとって、「独立性」「拡張性」「リアルタイム性」と「連携しやすさ」という統合顧客基盤の要件は、絶対に譲れない。ECサイトやアプリ、POS、基幹システムといった連携対象の多さと規模感を考慮した際の絶対条件である安定性の観点からも、WEBSAS CustomerHubがフィットしていた。

現場の不満ゼロが合格の証
統合顧客基盤の確かな手応え
WEBSAS CustomerHub導入後、「確かな手応えを感じる」と山崎氏はいう。「これまで不可能だった施策が実現でき、その結果が蓄積されていく。購買履歴だけでなくマーケティングに必要な全顧客データを蓄積・活用できるため、見えなかったことが見えるようになると期待している」。
例えば、アパレル業界では珍しい、有効期間3ヶ月といった期間限定ポイントの仕組み。従来はシステムの制約上、有効期限は購入後1年間という一つの設定しかできなかった。「統合されていること、リアルタイムであること。両者を満たす顧客基盤だからこそ、3ヶ月サイクルの運用が可能になった」(山崎氏)。短期化は、ポイント失効前プロモーションという顧客接点を4倍増加させる一方で、引当金リスクの低減にも寄与している。
新システムでは、ダッシュボードを用意し、店舗を含む約700人の社内ユーザー全員が実績やKPIを把握できるようになった。従来は本部がデータ抽出、レポート作成のうえ店舗に配布していたが、「SQLやデータ構造の知識が必要など属人的で、時間もかかっていた」(渡辺氏)作業が自動化され、工数削減と即時性を両立している。併せて、業務上必要のないデータに対するアクセス制限を施し、セキュリティも担保した。
「顧客に付属する情報の『横持ち』が可能になった点にも導入効果を感じている」と山崎氏はいう。WEBSAS CustomerHubは柔軟に管理項目を追加・編集できるため、新たなチャネルでの行動履歴など「追加はどんどん行いたい」。より多くの顧客データを集約することによって、マーケティングの精度と品質が向上するものと期待している。全顧客データの所在がWEBSAS CustomerHubに定まった今、「データが集積していくことにより、現在『足りないデータ』すなわち拡充すべきデータ項目も明らかになるだろう」(渡辺氏)。
渡辺氏は、「中長期では、AI活用の基盤になる」と期待する。顧客行動の分析や傾向把握、施策検討にはすでにAIの活用事例が見られ、当社も遠からず採用を検討する。顧客一人ひとりに合ったサービス提供にAIを活かすために必要な情報がまさに顧客データであり、WEBSAS CustomerHubはその基盤となる。
「複数チャネルを運用する企業には特にWEBSAS CustomerHubを推奨したい」と渡辺氏はいう。「店舗とECサイトや外部モールなど、システムごとに顧客データベースを分散させるデメリットは計り知れない。『統合顧客基盤』として独立させることにより、拡張性が手に入る」。
拡張性に加えてビームスがWEBSAS CustomerHubを推奨するポイントは、安定性だ。統合顧客基盤という「小さな障害が致命的に目立つ分野のシステムだからこそ、安定稼働は絶対条件」(渡辺氏)。全面システム刷新の花形として注目されるECサイトやアプリと違って、店舗スタッフを含む社内ユーザーから、特別な賞賛はない。だが、ユーザーインターフェイスにせよレスポンスにせよ、「少しでも欠点があれば不満の声が上がる。不満ゼロは、合格の証だ」(山崎氏)とビームスは考えている。
豊富な導入実績を参考に、貴社に合うサービス要件を提示します。
相談・お問い合わせ(無料)