コラム
2022/03/24

BA(ビジネスアナリティクス)とBI(ビジネスインテリジェンス)の違いとは

  • コンサルティング

はじめに

BA(ビジネスアナリティクス)とBI(ビジネスインテリジェンス)の違いとは マーケティング業界において、「ビジネスアナリティクス」が注目を集めています。世間一般的に浸透している「ビジネスインテリジェンス」とは、何が違うのでしょうか。事例を交えながら、詳しく掘り下げていきます。

ビジネスアナリティクスとはどんな手法?

「Business Analytics」の頭文字を取った「BA」とは何かを語る上では、「Business Intelligence」を意味する「BI」の定義を理解することが重要です。BIとは、企業が蓄積したデータを分析し、グラフィック化されたレポートにまとめるシステムのことを言います。多次元データの取り扱いにより、項目ごとの強みや弱みをオープンにして、次の経営戦略に生かすことができます。一方BAは、現状のデータをさらに細かく分析した上で、現状抱えている問題がなぜ生じたのか統計解析を行い、統計的傾向から次は何が起きるのか予測分析をすることが可能です。BIは「現在」を分析する手法であり、BAは「未来」を予測する手法であるところに違いがあります。

ビジネスアナリティクスの成功に必要な要素

ビジネスアナリティクスの手法を用いてビジネスを成功に導くには、「DELTA」と呼ばれる5つの要素が必要であると言われています。解析に値する良質な「データ(Data)」を入手し、企業内の「組織(Enterprise)」全体の目で分析を行います。活動を成功させるために優秀な「リーダー(Leader)」がトップに立って指揮を取り、最も効率的な結果が得られるように「ターゲット(Target)」を決めていきます。BAの手法を取扱う上では、優れた「分析者(Analyst)」の存在が欠かせません。5つの要素がうまく絡み合うことで、ビジネスアナリティクスの効果を最大限に引き出すことができるようになります。ビジネスアナリティクスを用いた解決手段を提供する企業は年々増えており、市場規模は右肩上がりを続けています。大容量のデータを高速で処理する端末の価格帯が下がってきたことで、企業だけでなく個人でもビジネスアナリティクスを使えるようになったことが要因の一つです。一方で、中小企業を中心にBAの知識が乏しく、導入に対する費用対効果を正しく算出できていないのが実情です。BAを誰でも理解できるように学習することが大切です。

ビジネスアナリティクスの導入目的

ビジネスアナリティクスは未来を予測する手法であることから、企業においては顧客の確保や中長期的な営業利益の見通しを算出し、利益の向上を図ることを目的として用いられています。BA手法は、顧客データや売上データの取り扱いだけでなく、クレームデータやコンプライアンスに関わるデータの分析を行うことができます。顧客から入手したクレームデータを分析した上で、今後はどのようなクレームが来るだろうか予測することが可能です。クレームの対応方法を事前に検討することで、顧客に対する満足度を高める効果が期待できます。また、コンプライアンスに関するデータを分析することで、法規制などに対応した報告書の作成ができるようになります。定量的な数値だけでなく、人の感情も解析することができるため、ビジネスアナリティクスの適用拡大が期待できます。

ビジネスアナリティクスの課題

ビジネスアナリティクスを行うことで、予測分析結果を得ることができますが、関係部署を含めた相互理解が重要です。会社全体ではなく、特定の分野を扱っている部署にのみ導入すると、分析結果に偏りが生じてしまうことが懸念事項の一つです。全社規模でビジネスアナリティクスを取り入れていくことが解決に向けた第一歩です。また、IoTや人工知能などの発達や、ビッグデータを高速に処理するツールの出現により、データ分析能力の高度化が求められています。大容量のデータから必要な要素は何か、適切に選択し分析することができる高度分析者の育成が急務です。

BAとBIの使い分けが大切

企業が抱えている問題点や課題の本質を捉えることで、解決に向けた取り組みを行うことができます。BAとBIの強みを理解し、違いを把握しておくことで、どちらの手法を採用すればよいかを判断することが可能です。業務改善を目的とした現状把握を行いたい場合は、BIを用いた次元ごとの詳細分析によって問題点の洗い出しを行うことで、打開策の特定につながる可能性が高まります。一方で、将来の予測を検討したい場合は、BAを用いた多変量解析による予測モデルを作成し、解析結果に基づいたアクションを行うことでスピーディーな意思決定につながります。各々の役割を理解し、状況や目的などによってツールの使い分けを行うことが、データ分析における重要なポイントです。

オムニチャネルとBAとの関り

BAとBIのそれぞれの強みを理解し、二つの違いを把握することがデータ分析における重要な要素であることが分かりました。マーケティング業界では、実店舗とネットショッピングをつなぐオムニチャネル戦略が主流になりつつあります。オムニチャネルを中心とした統合サービスの中には、統合顧客基盤に力を入れたツールも出現してきており、顧客と商品をつなぐ新たな手法として注目されています。有効に活用しましょう。

オムニチャネル施策を実現する上で、欠かせないのが顧客データの統合です。そこで、様々なチャネルで溜まっていく顧客情報を統合管理し、マーケティング活動などへも有効活用するサービスとして、「WEBSAS」があります。実店舗、オンラインなど展開する企業における活用方法についてはサイト(https://websas.jp/)にてご確認下さい。