コラム
2022/05/31

顧客の囲い込み出来ていますか?基本をおさらい

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はじめに

顧客の囲い込み出来ていますか?基本をおさらい 安定的な利益を得るためには顧客の囲い込みは大切です。長期的に良好な関係を顧客と結ぶことは、安定的な利益を得るだけではない様々なメリットが期待できます。既存顧客を囲い込むためには何をしたらよいでしょうか。

そもそも顧客の囲い込みとは?

「顧客の囲い込み」とは、顧客との間に「長期的で良好な関係」を構築し、戦略的に顧客離れを防ぎ、既存顧客を維持することを意味します。既存顧客が維持できれば、継続的な商品の購入につながり、安定的に利益を得ることが可能です。また長期的にサービスを利用する顧客には、購入単価をあげるための様々なサービスを試すことができます。
バブル期では、どこの企業でも新規顧客を増やすことに注目していました。しかしバブル崩壊後、人口減少や景気に不信感を抱く人の増加が重なり、新規顧客を増やすためには多大なコストがかかるようになったのです。そのため、現在では新規顧客を増やすよりも、既存客を定着させたほうがかかるコストが少ないといわれています。
顧客の囲い込みのための代表的な手法は、ポイントカードです。その他では百貨店が行っている、趣味の会の開催なども囲い込みの手法と言えます。近年はインターネットを利用し、店舗やインターネット販売の垣根をなくす囲い込みの手法も広まっています。

顧客を囲い込んだらどんなメリットがある?

1. 安定した継続的な利益が見込める

囲い込みで最も重要視されるメリットです。既存顧客が定着すれば、安定的に商品を購入するため、継続的な利益が見込めます。安定した継続的な利益を予測できれば、経営者側もそれに伴う経営戦略が立てやすくなります。

2. 新規顧客獲得のサービスを減らすことができる

既存顧客を囲い込み満足度を高めることができれば、新規顧客を会得するためのサービス回数を減らすことができます。SNSなどが広まり、情報の垣根が低い時代。既存客の満足度を上げることができれば、口コミを通して新規顧客を増やすことが可能です。既存顧客の満足度を高めることこそが、新規顧客を会得する戦略へとつながります。

3. 優良顧客の増加が期待できる

優良顧客を囲い込むことができれば、継続的に高単価の商品を購入し、高い利益が見込めます。さらに購入単価が低い顧客でも囲い込みにより定着すれば、顧客の購入単価を高くするためのサービスを目にする回数が増えます。どれか1つでもサービスがヒットすれば、既存顧客が優良顧客へと変わることが期待できます。また、集めた顧客データを他の顧客購入単価向上につなげることも、あらたな新規顧客獲得につなげることも可能です。
囲い込みの目的は、顧客離れを防ぐとともに優良顧客を増やすことにもあります。

4. 顧客データの蓄積と利用

顧客が継続的に商品を購入すると、それだけ顧客情報が集めることが可能です。近年人口減少と情報技術の発達にともない、顧客の取り合いは苛烈を極めます。どんなに価格を抑えた魅力的な商品を展開しても、一ヶ月後には同業者が情報を集め似たような商品を展開する時代です。

ただしそれはたくさんの顧客を対象としたマクロサービスの話です。1人1人の顧客を狙ったミクロなサービスは、同業者でも真似することは難しくなります。しかし、そのようなミクロサービスの方がマクロなサービスより顧客の心を掴みやすいことが少なくありません。ミクロなサービスを展開するためには、顧客の情報が必用なため、継続顧客の情報はかなり重要です。情報を駆使すれば、顧客が喜ぶコストがかからないサービスを提案することもできます。

囲い込みの5つの具体例

1. 携帯電話業界

囲い込みの手法には、組織に焦点をあてたサービスを展開することがあげられます。「ファミリー割引」などはその最たる例です。さらに学割が先生も利用できる「先生割」なども、学校という組織に属する顧客を狙った囲い込みと考えられます。優良顧客を増やす手法には「学割」や「継続利用割引」などがあります。中でも、学割などは、若いうちにサービスを利用してもらい、社会人になっても継続利用してもらうことが狙いです。

2. ポイントカード

ポイントカードは囲い込みの代表的な手法です。種類が2つあり1つは自社内でのみ利用できるポイントカードです。もともとはスタンプカードが主流でしたが、現在は多くのお店でデジタル化され顧客情報を整理するのにも役立っています。もう1つはTポイントやポンタポイントなどの加盟店で利用できるポイントカードです。ポイントカードが使えるから、特定の店を利用し続けているという方も多いのではないでしょうか。このようなポイントカードは加盟店全てによる囲い込みとも考えることができます。またポイントカードそのものの知名度があるため、新規顧客獲得にも役立っています。

3. 航空会社(マイル)

ポイントカードと似ているマイルも囲い込みと言えます。

4. 電子マネー(デポジット式について)

デポジット式の交通カードは、電子マネーとして利用することができ、財布を持ち歩かなくていい手軽さも魅力です。さらに、交通利用だけではなく、自販機や駅に併設する百貨店でも気軽に使えます。これらは個別の店舗ではありませんが、地域による囲い込みとも言えます。

5. クレジットカード(マイルやポイントが貯まるサービス)

クレジットカードもポイントカードと同じようにポイントを貯めることが可能です。マイレージと交換し航空券と引き換えにすることもでき、航空会社とクレジットカード利用の顧客の囲い込みと言えます。

インターネットを利用した新しい囲い込み

これまで様々な囲い込みの手法を紹介しましたが、近年ではこれだけではなくインターネットのCRMやSFAなどのサービスを利用した顧客情報管理による顧客の囲い込みも広まっています。

お店で見た商品がインターネットでは購入できない、商品について尋ねても店員が知らないので詳しく分からない、商品情報をスマホで調べたいのにパソコンでしか見ることができなかったなど。買い物でこのようなストレスを感じた方は少なくないはずです。いくら企業側が顧客を囲い込むサービスを展開しても、小さなストレスが原因で離れてしまう顧客は少なくありません。これらを解決するためには、店舗やインターネット販売の顧客情報を一括で管理することが必用です。

お店でもインターネットでもどこでも買い物が可能で、店員が商品についてどんな質問にも答えてくれ、スマホでもパソコンでも欲しい情報をすぐに手に入れることができるなど、もし自身が顧客だったら理想的だといえるサービスではないでしょうか。
このようなサービスが顧客満足度を高め、顧客の囲い込みにつながります。また、顧客情報を集め一括管理することができれば、顧客満足度をさらに高め購入単価をあげるためのミクロなサービスを展開することが可能です。このようにCRMやSFAなどを利用すれば、商品サービスを充実させ顧客満足度を高めることが期待でき、一歩進んだ経営戦略を練ることができるのです。

もっと詳しく知りたい方はWEBSASのサイト(https://websas.jp/)をぜひ参考にしてください。