
マーケティングの基本、リードスコアリングのやり方を解説

セミナーやイベントなどで情報を集めて顧客リストを作成しても、ただ闇雲に営業をかけていくだけではなかなか成果は上がりません。そこで、顧客リストを有効活用するための一手法として、リードスコアリングがあります。今回はそんなリードスコアリングの概要、そして詳しいやり方について解説します。
リードスコアリングとは何か?
リードスコアリングとは、見込み顧客、すなわちリードの購買意欲を決められた方法論に従って数値化し、評価することです。また、リードスコアリングはリードナーチャリングの一手法です。リードナーチャリングとは、アメリカ発祥の、法人向けビジネスのマーケティング手法のことを言います。リードナーチャリングは、セミナーやイベントなどで集めたリードを有望な見込み顧客へと育てていくことを目指して行われます。リードスコアリングで得たデータをリードナーチャリングにおいて活用することで、営業活動のさらなる成果が期待されます。
リードスコアリングを実施する理由
リードスコアリングを使うことのメリットとはどんなものなのでしょうか。まず、有望な見込み顧客であるホットリードを効率的に抽出することができます。スコアが何点以上であればアプローチをかける、といったように明確に定義づけをしておくことで、無駄なアプローチを減らすことができるのです。また、営業とマーケティングの双方がリードスコアリングにおけるホットリードの定義を共有することで、部署同士の連携が強化され、営業活動の効率が上がることが期待されます。さらにホットリードを抽出するだけではなく、リードスコアリングによって見込みの低いコールドリードも割り出すことで、有望な顧客へと育てる戦略を立てることができます。すなわち顧客リストを有効活用することにも役立つのです。
このようにリードスコアリングは、リードナーチャリングを成功させるために、新規リード、既存リードを問わずに必要な営業活動を見極めるために有効な指標であると言えます。
リードスコアリングの具体的なやり方
リードスコアリングを実施するためにはまず、何を数値化し、評価するべきなのかを知る必要があります。スコアリングの対象となる項目には、アトリビュート(属性)、インタレスト(興味)、アクティビティ(活性度)の3つが挙げられます。
1つ目のアトリビュートには、取引先、営業先の企業規模や担当者の役職などが該当します。課長なら5点で部長なら10点、取引先規模が100人未満であれば5点、100人以上であれば10点といったように点数を付けます。
2つ目のインタレストとは、リードが自社製品などに感じている興味の大きさのことです。WEBサイトへの訪問があれば5点、資料を請求していれば10点、展示会で名刺交換をしていれば5点、セミナーに参加していれば10点、といったように、リードの行動履歴を活用することでスコアリングを行います。
3つ目のアクティビティでは、インタレストの項目でスコアリングした行動履歴からどれだけ時間が経過しているのかによって数値を見直します。そのため、アクティビティの項目でのスコアリングは減点式となります。資料請求をしたのが5日前であれば10点のままに、15日前であれば5点に減点する、といったようにスコアリングしていくことになります。
リードスコアリングを実施するメリットとは
先述したように、リードスコアリングを行うことで、顧客リストの有効活用や部署同士の連携強化を図ることができます。その結果として、営業活動の成約率を一層高めることができます。リードスコアリングを適切に実施することができれば、マーケティングの大きな助けとなるのです。そして、そこから一歩踏み込んでリードナーチャリングを行うことができると、リードスコアリングはさらに強力なマーケティングツールとなり得ます。
リードスコアリングを実施する上での注意点
リードスコアリングに限ったことではありませんが、ビジネスにおいてはプロセスを常に評価、検証し、最適化するためのPDCAサイクルを回すことが重要です。当初に設定した項目ごとの点数やホットリードの定義がそもそも適正値からずれていれば、スコアリングを行ってもあまり意味がありません。正確なスコアリングが行えないようであれば、速やかに原因を探り、設計に適宜修正をかけるようにしましょう。
また、リードスコアリングを行う際には、顧客のデータを機械的に数値化してしまうことが往々にしてあります。しかしそうしたやり方では、表面上の点数からは読み取れない顧客のニーズを見逃してしまうことがあります。リードスコアリングで出てくる点数はあくまでも点数であり、その裏にある行動履歴と組み合わせて見ることが大切になります。ですので、効果的にリードスコアリングを実施するには、MAツールをうまく活用し、顧客の行動全体についてしっかりと仮説を立てていくのが最適な方法であると言えます。
リードスコアリングを正しく使って効率の良い営業活動をしよう
リードスコアリングは、正しく実施することで顧客リストを有効に活用し、効率的に営業活動を行うことができます。しかしスコアが高いからと言って、必ずしもその顧客の購買意欲が高いとは限りません。リードスコアリングを行う際は、顧客の行動全体にも目を配りつつ、MAツールなどを活用することで、より成果の高い営業活動を目指していきましょう。