コラム

2019/06/28

アクセシビリティとは?誰もが利用しやすいWebサイトになるポイントを解説

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アクセシビリティとは?誰もが利用しやすいWebサイトになるポイントを解説Webサイトは、今や会社運営から日常生活に至るまで欠かせないインフラとなりました。そのため官公庁の重要な防災情報や住民サービスの通知はもちろん、企業のサイトからの情報発信も、誰もがアクセスできて内容を問題なく理解できるように配慮する必要があります。Webサイトの内容がいかに充実して役に立つ内容であったとしても、その情報を必要とする人が使いやすくなければ、場合によって会社の信用を失う可能性があります。そこで、誰もがWebサイトを使えるようにするために知っておかなければならないアクセシビリティとはどのようなことか、アクセシビリティを向上するメリット、およびアクセシビリティを高めるために必要なポイントやチェックツールについて紹介します。

アクセシビリティとは?ユーザビリティとの違いと時代背景

Webサイトの構築や制作において、近年「アクセシビリティ」という言葉をよく耳にするようになりましたが、「ユーザビリティ」との違いがあいまいなまま使われているケースも見受けられます。ここではユーザビリティの意味も踏まえながらWebサイトにおけるアクセスビリティについて解説します。

アクセシビリティとは

Webサイトにおけるアクセシビリティを簡単にいえば、「年齢や障害の有無などにかかわらず、誰もがどんな状況下でも、Webサイトを問題なく利用できるようにすること」です。

上記のアクセシビリティの定義では何をどうすべきかが漠然としていますが、詳細にどのようにWebアクセシビリティを実現するかについては、日本工業規格(JIS)でJIS X 8341-3:2016:規格名称『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ』として規定されています。なお、JIS X 8341-3:2016の規定は、Web技術の標準化団体W3Cが定めるWCAG 2.0、および国際標準化機構(ISO)のISO/IEC 40500:2012と統一された内容になっています。

アクセシビリティとユーザビリティとの違い

ユーザビリティとは、「アクセシビリティが確保された後で、Webサイトの利用者に使いやすく、かつ分かりやすくして利用者の満足度を向上させる」ことです。ユーザビリティは、使用性また可用性とも呼ばれます。

日本工業規格(JIS)は、ユーザビリティをJIS Z 8521:1999で、「ある製品が指定された利用者によって、指定された利用の状況下で、指定された目的を達成するために用いられる際の有効さ、効率及び利用者の満足度の度合い」と定義しています。 まずアクセシビリティが最低限の条件としてあって、さらにWebサイト利用者の満足度を向上させるために必要なのがユーザビリティです。

アクセシビリティが必要となった時代背景

欧米の国を中心に世界の国々では、主に障がい者の人権を守るために法律でWebアクセシビリティについて規制をしています。また、国連の『障がい者の権利に関する条約(略称:障がい者権利条約)』で、「障がい者が新たな情報通信機器及び情報通信システム(インターネットを含む。)を利用する機会を有することを促進する」と明記されていることから、加盟国はWebアクセシビリティに関する法を整備し、義務付ける方向に向かっています。日本でも、障がいを理由とする差別の解消を推進する「障がい者差別解消法」が2016年4月に施行され、Webサイトにおいても、障がい者が不自由なく利用できるようにすることも含まれています。Webサイトの重要性が高まるなか、すべての企業は自社のWebサイトを、障がい者だけでなく誰もが、どのような環境・利用機器であっても不自由なく利用できるようにアクセシビリティを確保しなければならなくなっています。

アクセシビリティを高めるメリット

アクセシビリティを高めることで、以下のようなメリットがあります。

より多くのユーザーへ情報発信ができる

障がい者や高齢者のほか、誰もが不自由なくWebサイトを利用できる状態にすることで、より多くの人にサイトを利用してもらえるようにできます。今後、急速に高齢者が増加していくなか、高齢者がスムーズにWebサイトをより利用しやすくすることは、新規顧客の獲得や企業価値の向上に貢献します。

多様な機器に対応し、利用環境の制約をなくすことで満足度を向上できる

現代は、Webサイトの閲覧に、パソコンだけでなくスマートフォン、タブレットなどさまざまな機器が利用されます。また、機器のOS(基本ソフト)やブラウザーにも多数の種類があるほか、一緒に利用するマウスやディスプレイなども多様な種類の機器があります。これらをどのように組み合わせても問題なく利用できるように考慮することで、Web利用者の満足度を向上できます。

社会的な責任・義務を果たせる

どんな人にも不自由なく情報を提供する義務は、企業に与えられた社会的な責任であり義務です。Webアクセシビリティを確保することで、社会的な責任・義務を果たせます。

アクセシビリティを高めるポイントとチェックツール

Webアクセシビリティを高めるために注意すべきポイントとアクセシビリティをチェックできるツールについて紹介します。

アクセシビリティが必要なケースとそれぞれの対処法

アクセシビリティを高めるには数多くの対処が必要ですが、以下にいくつかの例を紹介します

1.目が不自由な人に対する対処

色覚障がい、弱視、老眼などの目が不自由な人が利用するとき、視覚以外の方法で情報取得ができるように音声読み上げ機能をつけます。音声読み上げ機能に対応するためには記号の使用を避けて漢字を使い、画像にはテキスト情報をつけるなどの対応をします。具体的には、以下のような対応が必要です。

  • 他ページとの区別をするためにそれぞれのページの内容が連想できる適切なページタイトルを付ける
  • 画像についてはalt属性に適切な画像の内容を示すテキスト情報を付ける

2.手が不自由な人に対する対処

手での操作が不自由な人に対してマウスなどが使えないことを想定し、キーボードでの操作を使いやすいように工夫します。具体的には、以下のような対応が必要です。

  • キーボードでの操作でも目的の操作がやりやすいように「tabindex」タグを効果的に使用する

3.小さな画面の機器を使用する人に対する対処

移動中にスマートフォンやタブレットを使用しているときなど、小さな画面でも見やすいように、操作しやすいように考慮する必要があります。

具体的には、以下のような対応が必要です。

  • ボタンの領域を大きめに確保する
  • 文字サイズを小さくしすぎず、重要な文字は強調する

4.Webサイトの利用経験の少ない人への対処

Webサイトにそれほど慣れていない人でも直感的に操作ができるように工夫をする、あるいは精通している人でもより全体を把握しやすくなるように工夫する。

具体的には、以下のような対応が必要です。

  • リンクのテキストには下線を付ける
  • Webサイトの構造を分かりやすくし、どこのページを見ているかを分かりやすくするために工夫する
  • サイトマップ、検索機能、ヘルプページなどを設けて探している情報を見つけやすくする

Webアクセシビリティのチェックツールの紹介

以下のようなツールを利用して、Webサイトのアクセシビリティをチェックすることができます。

  • miChecker

    総務省が開発したアクセシビリティの評価ツールです。JIS X 8341-3:2016を基準としており、音声ユーザビリティや色覚障がいのシミュレーションができます。

  • Website Explorer

    ページタイトルやリンク切れを確認ができます。

  • Alt & Meta viewer

    Chromeの拡張機能を利用したチェックツールで、Alt属性とMetaタグ内容を簡単に確認できます。

  • ColorTester

    2色のコントラスト比を計算し、JIS X 8341-3:2010 (WCAG 2.0)の達成基準に基づき評価できます。

WEBSASくん

まとめ

Webサイトのアクセシビリティを高めることは、新規顧客や利益獲得というメリットだけではなく、国際的な時流や超高齢社会を迎えた日本への適応という観点でも、社会における企業の責任を果たすという意味でも必要不可欠です。Webアクセシビリティを確保し高めるにはさまざまな方法があり、また検証用のツールや手段もたくさんありますが、最終的な実施や判断はWebサイトの担当者の手作業に依存するところが大きいので、常に知識と意識を高めていかなければなりません。今回紹介した内容を参考にしてWebサイトのアクセシビリティを高めていきましょう。