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2019/05/07

知っておきたいCMSの種類と導入するときの選定ポイント

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知っておきたいCMSの種類と導入するときの選定ポイント

自社サイトのコンテンツの作成、管理、更新作業などを簡単にできるCMSにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や機能が異なります。CMSの導入にあたっては、自社のWebサイトの目的や課題などを考慮し、最も適切で有効なCMSを選定しなければなりません。今回は、CMSの導入を検討するうえで最低限知っておきたい、CMSの種類と選定するときのポイントを紹介します。

CMSの分類方法

CMSにはいろいろな分類方法がありますが、ここでは導入形態別とページ生成方法別で分類し、種類別にメリット、デメリットについて紹介します。それぞれの特徴を知ることで、選定するときにCMSを絞り込むことができます。

導入形態による分類

CMSを導入形態別に分類すると、オープンソース型・パッケージ型・クラウド型の3種類に分けられます。重複する特徴もありますが、簡単にそれぞれの特徴を紹介します。

1. オープンソース型CMS

オープンソース型CMSとは、ソースコードが公開されており、ライセンスの購入が不要で原則として誰でも自由に利用、改変、頒布ができるCMSのことです。(オープンソースでもコマーシャルオープンソースのような有償のものもあります。また、オープンソースはGPLやMITなどのライセンス規約に基づきます。)

オープンソース型CMSには以下のメリットがあります。

  • ライセンス費用が不要のため初期費用を抑える事ができる
  • 豊富なプラグインによって機能拡張が簡単にできる
  • カスタマイズの自由度が高い
  • バージョンアップや機能追加のサイクルが速い

また、以下のデメリットがあります。

  • ベンダーによるサポートがなく、インストールからトラブル対応まで自己責任で行う必要がある
  • 日本語のドキュメントが一般的に不十分である
  • 信頼性や動作に関する保証がない
  • ソースコードが開示されていることや、多くのWebサイトで使われていることから攻撃を受けやすくセキュリティリスクが高い

2. パッケージ型CMS

パッケージ型CMSとは、開発元のソフトウェアベンダーからライセンスを購入して利用するCMSのことです。ライセンスにも、パーペチュアル(永続型・買い切り方)やサブスクリプション(利用型)などがあります。

以下のメリットがあります。

  • ベンダーのサポートが受けられて安心して利用できる
  • ベンダーから信頼性や動作の保証を得られる
  • よく利用する機能は最初からパッケージングされており簡単に利用開始できる
  • マニュアルが充実しており、トレーニングなど運用支援をベンダーから受けられる

また、以下のデメリットがあります。

  • ライセンス費用・保守費用が発生する
  • 導入規模に応じてライセンス費用が増加する
  • 機能拡張やカスタマイズには追加費用が発生する

3. クラウド型CMS

クラウド型CMSとは、クラウドサービスの提供業者が管理するサーバーにインストールされたCMSをインターネット経由で利用できるサービスのことです。インフラ環境とソフトウェアがサービスとして提供されます。

以下のメリットがあります。

  • ライセンスの購入費用やサーバーの費用がかからないため初期費用を抑えられる
  • サーバーの用意やCMSを利用するまでの準備がいらないため、すぐに利用できる
  • 運用やメンテナンスに関する費用を抑えられる
  • インターネットが利用できる環境であれば、どこからでも利用できる

また、以下のデメリットがあります。

  • カスタマイズができないなど、利用条件に制限がある
  • ほかのシステムとの統合性・連動性が低い傾向がある

ページ生成方法による分類

ブラウザーからのユーザーリクエストに対して、HTMLをどのように生成するかという観点で分類すると、動的CMSと静的CMSに分ける事ができます。

1. 動的CMS

動的 CMSとは、ブラウザーからのリクエストに対してHTMLを動的に生成して返すCMSのことです。わかりにくい表現ですが、ユーザーの検索リクエストに対してWebサイト内の情報からリクエストに適したページを生成して表示するような使い方に適しています。検索するユーザーごとにコンテンツを替える必要のある求人サイト、不動産サイト、会員ページのあるサイトは動的CMSで構築する必要があります。

また、検索ページ以外でも「ユーザーの行動履歴などの内容に合わせた情報をリアルタイムに提供できる」といったメリットがあります。

2. 静的CMS

静的CMSとは、あらかじめWebページ(HTML)を作成して保存しておき、ブラウザーからのリクエストに対してそのページをそのまま表示するCMSのことです。公開したページの更新頻度が少なく、そのページの情報をそのまま表示するサイトに向いています。セキュリティ面では動的CMSより考慮事項が少なく優れているため、官公庁やセキュリティに厳しい企業などのWebサイトに適しています。

また、「動的CMSに比べて表示速度が速くSEO効果が高い」メリットもあります。

種類別の代表的なCMS

それぞれの種類の代表的なCMSを紹介します。以下の種類以外にも、前述した動的CMSや静的CMSもあります。

1. オープンソース型CMS「WordPress」

CMSとして圧倒的に高いシェアを持つWordPressは、オープンソース型CMSです。Webサイトの外観デザインを変更できる「テーマ」や機能拡張ができるプラグインが多数利用できます。一般的にはレンタルサーバーを借りて、そこにWordPressをダウンロードし、インストールして使います。機能が制限されますが、WordPress.comというサービスを使えば、レンタルサーバーを借りずにインターネットを経由して利用することも可能です。

そのほかには「Drupal」「Joomla!」「eZ Publish」「OpenCms」などがあります。

2. パッケージ型CMS「Sitecore」

Sitecoreは、デンマークのSitecore社が提供する高機能なCMSです。初期費用と保守費用の組み合わせのパーペチュアル型(永続型)や、利用量に応じたサブスクリプションタイプ(利用型)のライセンス体系があります。Sitecoreの最大の特徴は、Webマーケティングに活用できる十分な機能を装備していることです。そのため、サイトでのコンバージョンが事業の収益に大きな影響を与えるサイトの構築に適しています。

そのほかには「Movable Type」「NOREN」「HeartCore」などがあります。

3. クラウド型CMS「Acquia」

AquiaはオープンソースのDrupalをコアとして採用しインフラサービスも内包したクラウド型のCMSです。Drupalの資産として開発されたモジュールが組み込まれており、さまざまな機能を利用することができます。主な機能としてコンテンツ管理・ユーザー管理・ワークフロー管理、オプション機能としてSEO機能、コマース機能、お問い合わせフォーム機能などがあります。また、多言語に対応することもできます。

そのほかに「RCMS」「WIX」「Weebly」などがあります。

CMS選定のポイント

たくさんのCMSからどうすれば最適なものを選べるか、注意点と選定のポイントについて紹介します。

CMS選定の注意点

Webサイトの運営を自社で行うためにCMSを新規に導入する、あるいは規模の拡大や機能強化のためにCMS のリプレイスを検討するときは、以下のような理由が多いでしょう。

  • CMSで簡単に希望するWebサイトを構築したい
  • CMSを導入してSEO効果を高め簡単に集客したい
  • Webサイトの運営費用を削減するために自社で更新できるようにしたい

上記の要望であれば、一般的には実現のレベルは別にするとどのようなCMSでも一定の範囲内で実現できます。そのため単純に「安い」「シェアが高い」からという理由だけでCMSを選ぶと失敗します。自社の課題が完全に解決できず、また、Webサイトの目的も中途半端にしか達成できないCMSを選んでしまう可能性があるからです。

CMS選定に失敗しないためには、現状分析を徹底して行うともに、Webサイトの目的を明確にすることが必要です。まず、現在のWebサイトの問題点を書きだして明らかにし、続いてCMSを導入して解決したい問題とWebサイトの目的を明確にします。

CMS選定のためのポイント

問題点を解決できて、Webサイトの目的を実現できるCMSを以下のポイントも加えて選定します。

  • Webサイトの規模
  • ワークフロー(承認権限の設定)
  • 予算
  • セキュリティレベル
  • 運用の効率性(更新したいページと更新頻度・更新のしやすさ)
  • 担当者のスキルと管理体制
  • サポートの必要性 など

まとめ

CMSにはたくさんの種類があります。シェアが高いから、費用が安いからという単純な理由だけではなく、自社サイトの持つ課題に適したCMSを選択することが大切です。そのためには、どんな種類のCMSがあるかを理解すること、自社サイトでの課題と目的を明確にすることが重要です。また、現時点ではなくWebサイトの将来の成長を見すえた長期的な視点でCMSを選定することも必要です。