コラム
2023/09/21

コミュニティマーケティングが注目される理由とは|手法・メリット・運用ポイントなどを解説

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コミュニティマーケティングが注目される理由とは|手法・メリット・運用ポイントなどを解説コミュニティマーケティングとは、ユーザ同士の交流をマーケティングに活かすマーケティング手法の一種です。近年特に注目されている手法ですが、全体像が理解できていない人も多いかもしれません。この記事では、広報担当者やWebサイト運営担当者などに向け、コミュニティマーケティングの概要やメリット、運用のポイント、企業の事例などを解説します。自社でのマーケティング施策の参考にしてください。

目次

  1. そもそもコミュニティマーケティングとは
  2. コミュニティマーケティングが注目を集めている理由
  3. コミュニティマーケティングのタイプ・分類
  4. コミュニティマーケティングをビジネスに活用するメリット
  5. コミュニティマーケティングのデメリット・注意点
  6. コミュニティマーケティングの構築・運用のポイント
  7. コミュニティマーケティングの企業事例
  8. まとめ

そもそもコミュニティマーケティングとは

まずはコミュニティマーケティングの概要を解説します。

ユーザとの交流をマーケティングに活かす手法

コミュニティマーケティングは、ユーザ同士の交流をマーケティングに活用する方法です。自社の製品・サービスをきっかけとして、ユーザ同士を結びつけるコミュニティをつくり、コミュニティ内で得た情報を、新規顧客の獲得や既存顧客へのアプローチなどに活用します。

コミュニティマーケティングの特徴

コミュニティマーケティングの主な対象者は、既存顧客です。既存顧客によって形成されたコミュニティ内では、実際に商品・サービスを利用した人の声を聞くことができます。既存顧客との交流を通じて、新規顧客を発掘できる点がコミュニティマーケティングの大きな特徴です。

コミュニティマーケティングが注目を集めている理由

コミュニティマーケティングが注目を集める理由に、マスマーケティングが限界を迎えていることが挙げられます。マスマーケティングとは、企業がユーザに対して行う一方通行のマーケティングのことです。

たとえば、アンケートの実施は企業が知りたいことを聞けるメリットがあります。しかし、商品・サービスを利用していないユーザの声がアンケート結果に混ざりやすく、ユーザの本音を集めるのは簡単ではありません。

対してコミュニティマーケティングは、口コミによるユーザの本音を拡散できます。ファンを育成することで、顧客単価を上げやすくなるのもメリットです。

コミュニティマーケティングのタイプ・分類

コミュニティマーケティングにはいくつかのタイプがあります。運営方式によって分類してみましょう。

オンラインコミュニティサイトを運営する

インターネット上で自社のコミュニティサイトを構築、運用するタイプのコミュニティマーケティング手法です。Webサイトの構築に手間はかかるものの、商品・サービスのコアなファンが集まりやすく、幅広い企業で取り入れられています。

SNSのハッシュタグ投稿

InstagramやX(旧Twitter)などで、ハッシュタグ付きの投稿を発信する方式です。ハッシュタグは多くの人が検索し、かつ印象深いものは自分がつながる人へ共有できるため、拡散効果が期待できます。

YouTubeやInstagramなどによるライブ配信

YouTubeやInstagramで商品担当者などがライブ配信する方法です。ライブ配信はリアルタイムのやりとりができるのが魅力で、企業とユーザ、ユーザ同士で臨場感のあるコミュニケーションが可能になります。

オフラインイベント

ユーザ限定のファンイベントや交流会などを行い、実際にファンを集めることを、オフラインイベントと呼びます。自社商品やサービスのファンと直接会える、話せるのがメリットです。

コミュニティマーケティングをビジネスに活用するメリット

コミュニティマーケティングをビジネスに活用すると、さまざまなメリットが得られます。どのようなメリットがあるかを確認してみましょう。

コアなファンを獲得できる

コミュニティマーケティングを実施すると、顧客エンゲージメントを高めることができるため、コアなファンを育成できるというメリットがあります。企業側とユーザ側とのコミュニケーションによって、ユーザ側にも企業や商品・サービスを愛する心が生まれるでしょう。企業にとってコミュニティマーケティングは、ファンを囲い込みやすいシステムです。

LTV(顧客生涯価値)を向上できる

LTVとは、1人の顧客が一生涯で企業にもたらす利益のことです。顧客の数だけでなく、LTVの高さもまた企業の利益を左右するといえます。コミュニケーションマーケティングは顧客をコアなファンとして育成できる、LTVを向上させやすい手法です。

口コミ効果による新規顧客の獲得

コミュニティマーケティングによって育成された熱心なユーザは、商品・サービスを他人に勧める効果を期待できます。特に商品・サービスを「よいもの」と感じているファンは、これらを他人に勧める傾向があるため、新しいファンの獲得に役立つでしょう。

VOC(顧客の声)を集められる

コミュニティ内で行われるコミュニケーションの内容は、分析することで顧客理解につながります。ユーザ側もコミュニケーションのなかで本音を言えるため、アンケートより生の声を得やすいのがコミュニティマーケティングの特徴です。

カスタマーサポートの負担軽減

コミュニティ内で商品・サービスに対する不明点があっても、ユーザ同士で助け合う傾向があるため、自己解決を促せます。結果的にカスタマーサポートの負担軽減につながり、コア業務に集中しやすいでしょう。

コミュニティマーケティングのデメリット・注意点

コミュニティマーケティングを円滑に進めるためには、以下の注意点やデメリットに気を配る必要があります。

成果が出るまで時間がかかる

コミュニティを作成しても、参加者が集まるまでに時間が必要です。コミュニティは自然に成長していくため、短期的には成果が出ないことを理解し、持続的な運用をする必要があります。

コミュニティマーケティングの知識・経験を持つ担当者が必要

コミュニティマーケティングの担当者には、ユーザの交流を活性化させるスキルや、ユーザの声をしっかり聴き取る能力が求められます。大規模なコミュニティマーケティングでは、専任の担当者を置くために人材確保が必要になるケースもあるでしょう。

成果測定しにくい

コミュニティマーケティングは、数値での成果測定が難しい手法です。参加者数、投稿数などによっておおよその数字は測定できるものの、目標を決めにくい傾向があります。目標を決めるためには、自社にとって必要なアクションを見極めることが大切です。

コミュニティマーケティングの構築・運用のポイント

コミュニティマーケティングを成功に導くためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

運用目的を明確にする

まずは、コミュニティマーケティングの運用目的を明確にしておくことが大切です。たとえば「ユーザ同士の交流の場をつくる」「商品についての疑問を解決する」など、目的を明確に設定します。方向性が定まっていることで、ユーザにとって利用価値のあるコミュニティの運用が可能です。

売上・顧客獲得などの成果を追い求めない

コミュニティマーケティングにおいては、目先の利益を優先すると広告感が出てしまい、ユーザ同士の自由な交流が盛り上がらないリスクがあります。コミュニティマーケティングによる売上アップや顧客獲得など、目先の成果を追い求めない方針で運用することで、ユーザにとって居心地のよいコミュニティをつくることが可能です。

参加メンバーが交流できるコミュニティに育てる

コミュニティマーケティングに利用されるコミュニティは、企業担当者がいなくても盛り上がる状態が望ましいといえます。したがって、コミュニティを育てるときは、参加メンバー同士で気軽に交流できる状態を意識しましょう。ただし、初期段階ではユーザ同士が活発に交流するのは難しいため、担当者が積極的に返答やサポートをする必要があります。

定性的な分析を行える方法・ツールを用意する

コミュニティマーケティングでは、顧客の生の声を入手できるため、定性分析(質的に分析する)が有効です。定性分析は母数が少なくても分析できるメリットがあり、規模の小さいコミュニティでも分析できます。定性分析には、ソーシャルメディアの情報収集し、分析できるソーシャルリスニングツールを活用するとよいでしょう。

コミュニティマーケティングの企業事例

実際にコミュニティマーケティングを行っている企業の事例を見てみましょう。

アクイア「Drupalコミュニティ」|新しいスキルを学び合える場を提供

アクイアはアメリカに本社のあるIT企業で、さまざまな企業に対し、プラットフォームサービスや管理ツールを提供しています。これらのサービスに欠かせないのが、DrupalというオープンソースCMSです。

「Drupalコミュニティ」では、何万人もの開発者がコードを共有して相互に役立つ情報を提供できるほか、年間を通じてさまざまなイベントが開催されています。無料で使えるパッケージやテーマも提供されており、ユーザにとって利用価値が高いコミュニティです。

ロート製薬|Instagramハッシュタグを活用

ロート製薬は、美容・スキンケア・目薬などの分野で商品を送り出す製薬会社です。コミュニティマーケティングの一環として、Instagramでハッシュタグをつけて応募できるキャンペーンを実施しています。自由にコメントができるInstagramを使い、消費者を巻き込んで売上アップにつなげている実例です。

ココネ株式会社|YouTubeライブ配信でファンと交流

ココネ株式会社では、アバターアプリや、デジタルワールドを楽しめるアプリなどを提供しています。新商品やキャンペーン情報などをYouTubeのライブ配信で伝え、ファンを増やしている企業です。トークセッションや、参加者同士の交流ができるアフターパーティーなども企画し、ユーザに「楽しい」と思わせる世界観を構築しています。

Amazon「AWSユーザーコミュニティ」|オフライン交流会を開催

ショッピングサイトのAmazonは、クラウドサービスのAWSも提供しています。「AWSユーザーコミュニティ」は、オフラインの交流イベントを企画するなど、ユーザ同士のつながりを深められるコミュニティです。

Amazonのコミュニティでは、会員登録や企業登録は不要で、誰でも参加できるオープンな仕組みが特徴となっています。気軽に参加できるからこそ、ユーザがコミュニティの閲覧やコメント投稿を続けられ、Amazonのファン獲得につながっています。

まとめ

コミュニティマーケティングをスムーズに成長させるには、ゆっくりとコミュニティを成長させ、ユーザをファン化していくことに重点を置くことが大切です。コミュニティの運用には専門知識をもったスタッフが必要になるため、難しいと感じる企業も多いでしょう。

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