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サイトをグローバル化するにはローカル化が必要!?

2019/01/31公開
【コラム】CMSカテゴリ

サイトのグローバル化

グローバルサイトについてどのようなイメージを持ちますか?

日本企業だったら「日本語」と「英語」で情報を発信しているサイトでしょうか?

最近は特に企業の活動エリアが海外にも広がったことで、 海外のユーザ様に対しても情報を発信するサイト=グローバルサイトの重要性が高まっています。

私たち日系企業は、ローカル企業よりも認知度が低いです。そのために、「自分たちが何者であるか」「どういう理念を持って企業活動をしているか」「業務エリアは何であるか」など、自己紹介とともに企業のブランディンクを備えた情報をより明確に発信する必要があります。

コンテンツで企業のイメージが判断されるとなれば、いかにグローバルサイトが重要かお分かりいただけるかと思います。

「見た目」が全てではありませんが、正しく自分を伝えることで相手が抱く印象を悪くする事はありません。

実際にサイトを構築するために必要な事はいろいろなサイトで紹介されていますので、今回はそこには触れずにグローバルで公開するコンテンツについて考えたいと思います。

グローバル化の範囲

サイトのグローバル化として考えなくてはならないベースの部分が2点あると思います。

  1. 言語
  2. コンテンツの内容

ここではIA(情報アーキテクチャー)やデザインというサイト構成の観点は外して考えていきます。

1.言語について

それが英語なのか簡体字なのかポルトガル語なのかは別としても、海外のユーザに情報発信するのであれば、伝わりやすい言語で提供することは必須です。

重要なポイントになります。 例えばカナダのように同じ国であっても言語が違う地域があるという事は、その言語によって培われた文化や歴史が違うという事ですので単に二言語と考えられるほど簡単ではありません。

グローバルサイトを「地域のサイト」として考えるか、「国のサイト」として考えるかによっても当然必要となる言葉が違ってきます。

2.コンテンツの内容について

日本から海外に情報発信しようとした場合、考え方として以下のようになると思います。

日本語用のコンテンツを作成する
英語用のコンテンツを作成する
多言語用のコンテンツを作成する

この流れは一般的で問題はありません。

特に伝えたい内容が言語問わず変わらない「企業情報」のようなコンテンツであれば、翻訳→翻訳のコンテンツで問題ないと思います。

では、コラムのように記述者の意思が入ったようなコンテンツはどうでしょうか?

作成されたコンテンツがどんなに日本的な表現であっても英語に翻訳であればそんなに違和感などは感じないと思います。それは私たちが英語の勉強をしてきていて、英語の表現について少なからず判断がつくというのも根底にあるのではないでしょうか。

これをポルトガル語に翻訳するとなったら、翻訳されたコンテンツが相手に対して本来の意図をもって通じるか不安になりませんか?

日本のサイトをもとにグローバルサイトを作るとしても、公開する「コンテンツの選択」や「同じコンテンツをグローバル(地域)の視点で練り直す」ことが必要になると思います。

ローカル化の必要性

グローバルサイトを作り上げるときに、ローカル化というものも必要になると考えています。

前述のように、その地域や国での表現形式というものは存在して、それに沿った形で表現をすることはグローバル化ではなくローカル化だと考えられないでしょうか。

例えば日付表示を地域で考えた場合の内容を抜粋しました。

年月日表現形式 例
形式 年月日 月日年 日月年
言語
日本 米国(英語) 英語(イギリス)
中国(簡体字) フィリピン ヒンディー語
台湾(繁体字)   英語(インド)
韓国語   フランス語
カナダ(英語・フランス語)   トルコ語
ドイツ(ドイツ語)   タイ語
    インドネシア語
    ロシア語
    ポルトガル語
  • ※国際標準規格ISO 8601では基本形式を「20181215T125323+0900」と指定していて、単純に言えば「年月日」の表現になります。

標記の仕方が異なる地域があり、それぞれに合ったコンテンツのだし分けをしています。

国際表記が年月日ならばそれで統一して表現すればグローバルサイトといえるはずですが、大手企業のグローバルサイトでは地域(国)を意識して標記を変えています。

簡単な例ですが、わかりやすいローカル化だと思います。

特に顕著なのは「タイ語」です。

2019年1月1日をタイ語で表すと以下のようになります。

1 ม.ค. 2562

タイ語は「日月年」での標記で、かつ仏暦で表現します。( 仏暦は釈迦が入滅した年もしくは翌年を仏暦1年として始めます。)

もちろんタイでも西暦は広く利用されていますが、主たる暦は仏暦です。

タイで仏暦が始まったのは「1902年」でまだ100年と少ししかたっていませんが公文書などは仏暦で記載されます。

在タイ日本国大使館のサイトを見ていただいても仏暦で表されていることから、この仏暦表記がタイでとても重要であることがわかると思います。

グローバルサイトのコンテンツの在り方

コンテンツには「自分たちの考えや理念」を伝える役目があります。

前述したように「見た目」がすべてではありませんが、興味をもってサイトを訪問してくれたユーザがサイトの表現に違和感を持たないことは最低条件だと考えられます。

そのうえで、単純な情報コンテンツと国や地域の文化や成り立ちを意識したコンテンツでサイトを作り上げていくことが必要だと考えられます。