コラム
2019/07/12

マーケティングオートメーションとは?最大限の効果を引き出すための比較ポイント

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マーケティングオートメーションとは?最大限の効果を引き出すための比較ポイント顧客の価値観が多様化し、変化のスピードが速い現在は、迅速で効果的なマーケッティングが求められています。そのため、企業のマーケティング活動を自動化・仕組み化できるマーケティングオートメーションの導入の必要性が高まっています。しかし、その効果を最大限に引き出すには、いくつかのポイントを知っておく必要があります。

今回は、マーケティングオートメーションの概要と、導入時の4つの選定ポイント注意点、そしてマーケティングオートメーションを実現できる製品ツールを紹介します。

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    マーケティングオートメーションとは

    マーケティングオートメーションとは、人の手で行っていたマーケティング活動のコストと時間がかかる作業を自動化し、効率を高めるソフトウェアツールのことです。具体的には、メール配信・ウェブサイトの訪問者分析・見込み客のスコアリングなどによって見込み客を選別して有望な見込み客の抽出、見込み客の育成と管理、およびレポート作成などの機能が統合されたソフトウェアです。

    マーケティング活動は、「見込み客の獲得」「見込み客の育成」「見込み客の選別」の3段階に分けられます。それぞれの段階でマーケティングオートメーションを導入すると、次のような機能を活用できます。

    1.見込み客の獲得

    見込み客(リード)を獲得する施策には、大きく分けるとオンラインとオフラインがあります。オンラインは、ホームページやSNSを活用して集客し、そこから資料請求やメルマガ登録への誘導などを行って見込み客の情報を獲得します。オフラインは、イベントやセミナーの開催による名簿の収集や日常の営業活動での名刺交換などによって情報を獲得することです。オンラインでは、個人情報を入力するフォームによって実名での情報を取得できるほか、マーケティングオートメーションの機能によってクッキーを利用した匿名情報も収集可能です。ただし、見込み客はマーケティングオートメーションによってすべて自動的に獲得できるものではありません。むしろ、さまざまな手段で継続的に実施されるオフラインも含めたマーケティング活動で得られた見込み客情報をマーケティングオートメーションに投入するところから、マーケティングオートメーションが始まります。なお、見込み客の獲得はリードジェネレーションとも呼びます。

    2.見込み客の育成

    オンラインやオフラインで獲得した見込み客をマーケティングオートメーションで一元管理することで、見込み客の氏名(企業名・部署名・役職名)・男女別・年齢などの属性情報と、見込み客ごとのホームページやSNSなどの閲覧回数・閲覧したページ、およびイベントやセミナーの申し込みや参加などの情報を統合できます。これにより、見込み客の状況・状態を把握し、仮説や過去の経験・ノウハウに基づき見込み客ごとに適切な情報をタイムリーなタイミングで提供することで、見込み客の購買意欲を高める育成ができます。マーケティングオートメーションの自動メール配信機能、アプリへのPush通知機能などが活用できます。なお、見込み客の育成はリードナーチャリングとも呼びます。

    3.見込み客の選別

    見込み客ごとに購入意欲や購入時期は大きく異なります。そのため、購入する確度の高い見込み客を明らかにし、速い営業アクションを起こすことで営業効率を上げ、また販売ロスを防止できます。マーケティングオートメーションには、見込み客の属性やホームページなどへの行動履歴に応じて見込み客ごとに購入の確度を点数で示すスコアリングができます。このスコアリングにより購入確度別に見込み客を選別できます。なお、見込み客の選別はリードクオリフィケーションとも呼びます。

    マーケティングオートメーションツールの4つの選定ポイント

    マーケティングオートメーションツールを選定する際のポイントは、以下の通りです。

    1.自社の商品とサービス、マーケティング戦略にマッチしているか?

    BtoBとBtoCではビジネスモデルの特徴やマーケティングプロセスについて、以下のように大きな差があります。マーケティングオートメーションは、BtoB向けとBtoC向けがあり、備えている機能が異なるので自社に適したツールを選ぶ必要があります。

    一般的なBtoBビジネスモデルは、購買単価は高く、一般的に購入までの検討期間が長いのが特徴です。また、購入検討者と購入決裁者が異なっていたり、複数の関係者により組織的な合意の下で購入が決まったりします。そのため、購入意欲が低い見込み顧客であっても、リードナーチャリング(eメール・電話・セミナーなどを活用した継続的で多面的な活動)を行い、商談につなげていくというアプローチが必要です。

    一般的なBtoCビジネスモデルは、購買単価は低く、購入までの検討期間は短いのが特徴です。そのため、購入確度の高い見込み客へ速くてタイムリーなアプローチが必要です。ただし、BtoCでも不動産販売、自動車、保険、水道電気などの社会インフラに関するビジネスの購買プロセスは長く、BtoBに似ている点もあります。

    2.営業部門も使えるか?

    マーケティング部門が見込み客を増やしても、特にBtoBビジネスでは営業による販売活動で契約に至らなければ結果には結びつきません。そのため、営業が契約に至るためには営業部門による見込み客の最新の情報や営業上の課題などの共有ができている必要があります。

    3.SFAやCRMと連携できるか?

    マーケティングオートメーションの他に、営業プロセスを効率化するツールにSFA(セールスフォースオートメーション)、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)があります。マーケティングオートメーションをより有効なツールとするためには、SFA・CRMと連携できる必要があります。なお、SFAは営業活動を効率的に支援・管理するツールのことです。CRMは、購入後の顧客関係を管理することで、顧客満足度を向上させ、リピーターとなってもらうことを支援するツールのことです。

    4.担当者のITレベルにマッチしているか?

    マーケティングオートメーションを工数と大きな費用をかけて導入しても、ツールを使いこなせなければ、それらは無駄になってしまいます。ベンダーによるサポート体制が充実しているか、ツールを使いこなせる人材が社内にいるかどうかを導入前に確認することが必要です。

    マーケティングオートメーション選定時の注意点

    マーケティングオートメーションツールを選定する際は、以下のような点に注意しましょう。

    段階的な導入とトライアルの活用、費用対効果のシミュレーション

    高機能なマーケティングオートメーションツールを使いこなせる人材がいない場合は、投資金額の低いツールを導入して、段階を追ってレベルアップすると、費用対効果のシミュレーションにもなって無駄な投資になることを避けられます。トライアルや無料お試し体験ができるマーケティングオートメーションもあります。

    運用体制の整備

    マーケティングオートメーションの導入で結果を出すには、各部門での連携が必要です。そのため、導入前に部門間をまたいで関係者全員でマーケティング上の課題・問題点を共有・把握して運用体制を整える必要があります。

    マーケティングオートメーションツールの紹介

    最後に、代表的なマーケティングオートメーションツールを紹介します。

    Pardot(BtoB向け)

    Pardotは、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するBtoBに特化したツールです。同社のSFAのSales Cloudと連携でき、営業活動や商談までを可視化したマーケティングを実現できます。

    Oracle Marketing Cloud Eloqua(BtoB向け)、Oracle Marketing Cloud Responsys(BtoC向け)

    Oracle社が提供するツールでBtoB向けとBtoC向けツールがあります。直感的で使いやすいUIと、詳細なスコアリング機能、拡張性のあるセキュリティ機能を備えています。同社が提供するクラウド型データマネジメントプラットフォームOracle Bluekai(DMP)と連携ができます。

    Adobe Marketing Cloud(BtoC向け)

    Adobe社が提供するBtoC向けの複数のソリューションを含むオンラインプラットフォームで、同社のAdobe Analyticsとの連携やLINEビジネスコンタクトとの連携ができます。

    WEBSASくん

    まとめ

    マーケティングオートメーションだけでマーケティング活動の完全自動化ができるわけではありません。運用プロセスでは、ほぼすべての工程で人力が必要となるため、担当者が使いこなせることは重要なポイントです。また、効果をあげるには、自社の商品やサービスにあったツール選択をし、関連部門での共通のマーケティング戦略と意識の共有、運用体制を整える必要があります。条件を整えてマーケティングオートメーションを導入すると、顧客の属性や行動の情報を入手しやすくなるために、非常に効果の高いマーケティングを実現できます。