サイトリニューアルの手順は?メリットと注意点を踏まえて解説します
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サイトの課題を解決するための有効な手段のひとつがサイトリニューアルです。うまくサイトリニューアルに成功した場合、サイトの集客力の大幅なアップや企業のブランド力を高められます。
今回は、サイトリニューアルにおける目的や時期、メリット、リスク・注意点と対策をふまえた適切なサイトリニューアルの手順について紹介します。
サイトリニューアルの目的とタイミング
「サイトのアクセスが増えない」「コンバージョン率が低い」「デザインが古い」「スマートフォンに対応できていない」「表示スピードが遅い」などの悩みは、サイトリニューアルで解決できるケースもあります。なお、サイトリニューアルは、以下のようなタイミングでも検討が必要です。
- 企業の統合や戦略などの方針転換
- サイトの目的変更
- サイトの運用方法の変更
- ソフトウェア(CMSなど)の更新、変更
- サーバーなどインフラ基盤の更新
- サイトの管理や運用で業務の非効率が目立っている
サイトリニューアルのメリット
サイトリニューアルのメリットとしては、以下のようなものがあります。
機能の追加・見直しを図れる
サイトリニューアルによって、現在の問題点を解決しうる機能の追加や見直しが図れます。例えば、サイトの更新がしにくい、複数のサイトを個別に管理していて労力やコストがかかっているといった場合、CMSを導入することで一元的なサイト管理ができるようになって問題を解決できます。
デザインを新たにすることでイメージや信頼性を高められる
デザインの古いサイトは内容が充実していてもユーザーからのイメージが悪く、信ぴょう性がないとみなされてしまう可能性があります。スタンフォード大学が発表した、「信ぴょう性の高いサイトを作る10のガイドライン」にも「プロフェッショナルに見えるサイトのデザインにする」ことを1つの要件にしています。
古い情報を整理し更新できる
過去の不要な情報(販売終了済みの商品情報や開催済みのイベント情報などの不要な情報)を整理できます。不要な情報が数多く残っていると、ユーザーにとって見づらく、目的とする情報になかなかたどり着けません。
サイトリニューアル時のリスク・注意点と対策
サイトリニューアル時には、以下のような点に注意しましょう。
コストを重視するあまり低品質になってしまう
サイトリニューアルにかかるコストはできる限り抑えたいものです。しかし、サイトリニューアルの目的や目標値があいまいなままコストのみを重視してリニューアルを進めてしまった場合、リニューアル後のサイトの品質が低くなってしまいます。
自社スタッフでリニューアルを試みたが、作業が進まない
コストの削減や自社のことは自社のスタッフが最もよく理解しているといった思い込みから、自社スタッフでリニューアルを試みて失敗するケースもあります。CMSやインフラ基盤に関しては専門家であるベンダーに依頼すればこうした失敗を防げます。
アクセス低下を招いてしまうケースもある
以下のようなサイト設定上の不具合から、Googleからのサイトの評価が低下し、その結果アクセスの減少を招いてしまうことがあります。こうした設計ミスを防ぐ手段のひとつとしてCMSの導入を検討すると良いでしょう。
- 適切なリダイレクトが行われていない
- 適切な404ページ設定が行われていない
- コンテンツ量や内部リンクが大きく減少している
- 適切なサイト設計が行われていない(タグや見出しなど)
一気にリニューアルした場合、成果が計測しにくいことがある
大幅なリニューアルを一度に行うと、仮にサイトの集客がアップした場合でも、その要因の特定がしづらいという問題が生じます。次のサイトリニューアル時の参考にするために、どこを変更すればよいかの判断ができにくくなるので、各コンテンツにターゲットキーワードを定めて検索順位のチェック、コンテンツやタグの内容の確認などを実施していく必要があります。
適切なサイトリニューアルの手順
サイトリニューアルは、「コスト」「手間」「時間」がかかります。そのため、目的を必ず達成できるように基本的なサイトリニューアルの手順として以下を押さえておく必要があります。
1.サイトの棚卸し(現状把握と課題の確認)
現状のサイトの問題把握は、サイトリニューアルの出発点であり最も重要なポイントです。このとき、サイトの現状や課題を「何となく」認識するのではなく、分析ツールなどを用いて「データ」として正しく確認しなければなりません。データを集めると、例えば、訪問者の行動が分析できてサイトの訪問者に最適になるように変えられます。また、集客や成果につながらない原因も数値で分析できます。
2.サイトの目的とコンセプトの設定
まず、サイトの目的・サイトコンセプト・ターゲットを設定し、数値目標としてKGI(経営目標達成指標)やKPI(KGIを達成するまでの評価指標)を定めます。ここをあいまいなままにしておくとサイトの方向性が担当者ごとにバラバラになってサイトリニューアルに失敗します。
3.サイトの設計・インフラ基盤やCMSの選定
サイト全体の構造設計や大まかな各ページの内容についての設計を行います。家造りと同様で、設計書なくいきなり家を建て始めると、バランスと住み心地の悪い家しかできません。サイト設計と同時に将来のことを考慮して、サーバーをどのように構築するか(オンプレミスあるいはクラウド)といったインフラ基盤やCMSなどのWeb管理システムを選定します。
4.ワイヤーフレームの作成
ページの構造となるレイアウト(企業ロゴやヘッダー、フッター、サイドバーなど)のワイヤーフレームをサイト全体のナビゲーションや成約へと結びつける導線など考慮して作成します。また、スマートフォンの利用者が多くなっているので、レスポンシブ対応にできていなければ対応できるように検討します。ここでの検討は、見やすさや使い勝手に直結するためしっかり行います。
5.デザインの設定
ワイヤーフレームに見やすく、わかりやすくなるようにデザインを作り込みます。デザインは、企業やブランドイメージに直結するので重要です。
6.コーディング・コンテンツの移行・動作検証
コーディング、コンテンツの移行、動作検証を行います。コーディングでは、SEO施策やアクセシビリティ向上のためにマークアップを適切に行うようにする必要があります。
7.運用開始とPDCAサイクルの繰り返しを実施
サイトリニューアルの動作検証で問題がなければ運用を開始します。なお、サイトリニューアルは運用を開始すればそれで完了ではありません。サイトリニューアルの目的を達成できているかをKGI、KPIの数値を確認しながら、より良いサイトを目指して、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(行動)」のPDCAサイクルを繰り返してサイトの改良・改善を続けます。
まとめ
サイトリニューアルを行うことでサイトが抱えている課題を解決できます。しかし、サイトリニューアルは適切な手順を踏まないと失敗する可能性があります。特に、現状のサイトの棚卸しや目標の設定を軽視すると、失敗する可能性が高くなります。しかし、サイトリニューアルに成功すると、サイトの集客力の大幅なアップや企業のブランド力を高められます。サイトリニューアルのメリット・タイミング・適切な手順を参考に、サイトリニューアルを成功させましょう。