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B2BECで採用すべき公開方式とは?~目的に応じたサイト公開方式の選定~
2025/07/08公開

ECサイトには「オープンサイト」「クローズドサイト」「セミクローズドサイト」と呼ばれる公開方式が存在します。
各公開方式はそれぞれ享受できる効果が異なるため、どの方式にするかは目的やサイトの使い方に応じて決定する必要があります。
本コラムではそれぞれの特徴と活用シーンについてご紹介します。
各公開方式の特徴
各公開方式の特徴は以下の通りです。
- ●オープンサイト
オープンサイトとは、契約の有無や会員登録の状態に関係なく誰もが自由にアクセスできるサイトのこと指します。
会員登録をしていなくても取扱商品を閲覧したり、ゲストユーザーとして商品の購入を可能にすることもできます - ●クローズドサイト
クローズドサイトとは、会員登録したユーザーのみがアクセスできるように制限されたサイトのことを指します。
登録するまでサイトの中を見ることができないので、ユーザーは取扱商品やその販売価格といった詳細などに関してはログイン後に初めて見ることができます。 - ●セミクローズドサイト
セミクローズドサイトとは、サイト自体は「オープン」でトップページや商品紹介ページなどは誰でも閲覧できる形にし、商品の販売価格の閲覧や、購入に当たっては会員登録を必須とする「クローズ」形式となっているサイトのことを指します。
会員登録をしていなくても詳細情報を参照できますが、購入したい場合は会員登録が必要となります。
続いて各公開方式のメリット・デメリットを踏まえたB2BECにおける活用シーンについてご説明します。
B2BECにおける活用シーン
- ●オープンサイト
オープンサイトは売上拡大のための新規顧客開拓を目的とし、多くのユーザーに商品を知ってもらい、購入してもらいたい場合に有効とされます。
【メリット】
- サイトが公開されているため認知度の向上が期待できる
誰でも閲覧できるようになっているため、既存顧客以外へのサイトの認知度の向上が期待できます。認知度が向上し新規顧客が獲得できれば、売上向上にもつながります。 - 会員登録不要なため顧客の購入ハードルが下がる
会員登録不要で購入できるため、購入までのプロセスが簡単になり、購入機会につながる可能性が高いです。 - 複雑な公開ルールが不要なため運用負荷が小さい
ユーザーごとの表示制御や仕切価格の設定等が不要なため、管理者の運用負荷が小さくなります。また構築時も考慮が不要となるため、構築コストも抑えられる場合があります。
【デメリット】
- 履歴が管理できず単発利用にとどまる可能性が高い
会員登録せずに購入ができるため、購入履歴を後から確認するのが難しく、再購入につなげることが難しくなります。 - 与信管理ができない
B2Bの取引においては与信管理が必要な場合が多いですが、会員登録不要のため管理することができません。 - カスタマーエンゲージメントの向上が期待できない
会員特典を提供できないため、顧客のエンゲージメントを高める機会が少なくなります。
- ●クローズドサイト
クローズドサイトは業務効率化のため手動業務を自動化したい場合や、顧客ごとに限定的な商品を提供したり、特別な顧客体験を提供したい場合に有効とされます。
【メリット】
- 顧客ごとの対応ができる
顧客ごとに仕切価格を設定したり、掛け率を変えたり、提供可能な商品を制御したりすることが可能です。 - 情報の公開先を限定できる
販売価格や商品の詳細情報を同業他社や一般消費者に見られるリスクがなくなります。企業優位性を保つ際にも便利です。 - 顧客に合わせたマーケティングができる
顧客の属性や購入状況に応じたクーポンの発行やキャンペーンを実施できます。
【デメリット】
- 会員以外はサイトを閲覧できないため新規顧客獲得が難しい
サイト自体が非公開であり会員以外は閲覧できないため、既存顧客以外の訴求力に懸念があり、新規顧客の開拓は難しいです。 - 会員管理の手間がかかる
適切な権限設定や情報の管理が必要となるため、運用の手間がかかります。
- ●セミクローズドサイト
セミクローズドサイトは「クローズドサイト」のメリットを享受しつつ、デメリットであった新規顧客獲得という点についても対応したい場合に有効とされます。
【メリット】
- 会員管理をしながらサイトの認知度の向上が期待できる
サイト自体はオープンになっておりGoogleなどの検索でヒットする可能性が高いため、サイトの認知度向上を期待しつつ、購入時には会員登録を必須とすることで購入履歴の管理や与信管理ができます。
また会員管理をすることで、「クローズドサイト」のメリットである顧客ごとの対応や情報公開先の限定、顧客に合わせたマーケティングも実施できます。 - 業務効率化を実現しながら新規顧客獲得の施策を実施できる
従来、手動で対応していた受注や見積業務などをシステム上で実施することで、業務負荷や人為的なミスを減らし、業務効率化が期待できます。
業務効率化により生まれた時間を活用し、新規顧客獲得に向けた施策や訴求コンテンツの検討・実施が可能です。
【デメリット】
- 公開ルールが複雑化した場合は手間がかかる
コンテンツや情報をどこまで公開にして、どこから会員限定とするか、ルールの検討が必要となります。
公開ルールが複雑化した場合には考慮事項が増えるため、運用の手間がかかります。
まとめ
ECサイトの各公開方式についてご理解いただけましたでしょうか。自社の目的に応じて最適な方式を選ぶことが重要となります。
「オープンサイト」は主に新規顧客開拓による売り上げ拡大を目的とし、「クローズドサイト」は業務効率化と顧客対応の最適化を目的としています。
さらにこの両方を目的とする場合は、「セミクローズドサイト」が効果的です。
業態やビジネス形態に合わせて検討は必要ですが、企業間取引(B2B)においては企業単位での購入履歴の管理が必要だったり、与信管理や請求書払いなどの後払い決済を考慮すると、会員管理が不可欠となるため、「クローズドサイト」や「セミクローズドサイト」が採用されることが多いです。
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