マーケティングの基本、クロスチャネルを解説
- その他
マーケティング業界において、販売におけるユーザーとの接点を「チャネル」と呼びますが、販売活動の基本は「クロスチャネル」だと言われています。クロスチャネルとは一体どのようなものか、詳しく解説していきます。
クロスチャネルとはどのような手法か
小売業者と顧客との接点を作るポイントのことを「チャネル」と呼び、小売の業態としてECサイトや実店舗などが用いられています。マーケティング業界におけるチャネル戦略には、シングルチャネル、マルチチャネル、クロスチャネル、オムニチャネルの4種類のやり方が存在します。そのなかのクロスチャネルとは、小売業者と顧客の接点が複数あるチャネルのことを言います。
チャネルには、実店舗だけでなく、ECサイトを代表としたWebサイトや電話などが用いられていますが、各チャネルごとに蓄積されたデータ同士を連携させているのが特徴的です。チャネル間の連携により、Webサイトで購入した商品を店頭で受け取れたり、返品などの行為ができたりするようになりました。顧客の購買履歴や、個人情報の管理などを行う「顧客管理システム」がオンラインとオフライン間で行き来できるため、クロスチャネルの考え方が広く用いられるようになり、マーケティングの基本とも言われています。
クロスチャネル導入のメリット
チャネルにおける考え方の一つに「マルチチャネル」がありますが、チャネル間の連携を持たずに顧客管理を行っています。マルチチャネルの問題点の一つに、在庫管理の煩雑さが挙げられます。実店舗とECサイトで同一の在庫を抱えている場合、実店舗での売上げによる在庫確認状況をECサイト側で見ることができないため、ECサイトで大口の注文が入ったとしても実店舗で既に売り切れているケースがありました。
顧客にとっては、ECサイトで購入しようと思ってもすでに売り切れているため、買いたくても買えない状態です。小売り側から見ても、顧客に対して販売機会の損失を招いてしまいます。マルチチャネルの問題点を解消するために生まれた考え方が「クロスチャネル」です。クロスチャネルは、マルチチャネルの問題点を解消するためのソリューションとしての位置づけで、実店舗とECサイトの在庫状況を同一管理することで在庫の見える化を図っています。販売機会損失の回避だけでなく、適切な在庫管理ができるようになるのがメリットの一つです。
クロスチャネルの魅力
クロスチャネルによるマーケティング活動を行うことで、商品ブランドを包括的に表現することが可能です。メールやダイレクトメール、web広告やコールセンターなど、様々なチャネルにおいて統一されたメッセージを配信することで、顧客に対して適切なアプローチができるようになります。
顧客は、様々な媒体やデバイスを使い分けて生活していることが多いため、複数のチャネルでアプローチをかけることによって、様々な角度から顧客との接点を持つことが可能です。顧客へのアプローチに対する抜けや漏れを防ぐことも魅力の一つです。
クロスチャネルが持つ可能性
顧客へのアプローチを測る指標の一つに「到達率」があります。メールを活用したコミュニケーションでは「アドレスの取得」と、「顧客の開封」の2つのハードルをクリアする必要がありますが、SMSは電話番号さえあれば顧客へ情報伝達することが可能です。欧米をはじめとした海外では、SMSによる顧客への発信アプローチが主流で、コミュニケーションツールとしても有効であると認識されています。
調査結果によると、SMSを活用することで顧客への到達率が99パーセントまで高められることが分かっており、確実な情報伝達が可能です。テレビショッピングやラジオショッピングなどを手掛けるオフラインの通販会社にとっては、SMSの活用は有効な手段です。オフライン通販においては、顧客の属性として商品購入時に電話番号、住所、氏名といった情報を小売り側に提供しています。顧客の商品購入に関するモチベーションが最も高い状態は、商品の購入直後だと言われており、期待に満ちた状態で次のアプローチを掛けていくことは非常に有効です。
EC通販会社の独自調査によると、購入した商品が届くよりも前に2回目の商品購入に至るケースがあることがわかりました。顧客への訴求効果を高めるためにも、電話番号の情報からSMSメッセージを送ることは、とても重要なポイントです。SMSでメッセージを送るときは、いきなり商品案内のようなダイレクトなものではなく、「メッセージをお届けします」といったワンクッションを置くことも大切ですので覚えておきましょう。
マーケティングにおけるクロスチャネル戦略のまとめ
クロスチャネルでは、顧客管理の一元化や、データ管理の効率化を図れることが分かりました。それぞれの手法は、関連記事に詳細を解説しているため、しっかりと読んで理解を深めていきましょう。