コラム
2024/09/05

顧客LTV増大!オムニチャネルに期待する効果とは

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顧客LTV増大!オムニチャネルに期待する効果とはオムニチャネルは、企業の利益を増大させ、顧客の満足度を高めるために有効な戦略の一つです。その効果を最大限に発揮させるためには、企業の利益額を左右する顧客LTVについて知る事が必要になります。顧客LTVとオムニチャネルの密接な関係、またオムニチャネルによって顧客LTVにどのような変化がもたらされるのかについて解説します。

顧客LTVとはなにか?

顧客LTVは、Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略語です。これは日本語で、「顧客生涯価値」と訳すことが出来ます。この指標は、顧客一人または一社が、特定の企業やブランドと取引を始めてから終了するまでの間にもたらす利益を数値化したものです。つまり、どれだけの顧客を確保できるかではなく、確保した顧客一人ひとりがどれだけ売上に貢献するかを表しています。この事から、新規顧客よりも既存顧客の貢献状態にスポットを当てた指標であると言えます。

顧客LTVの求め方

顧客LTVは、顧客一人あたりに対する累積売上額です。例えば一ヶ月に一度、平均1万円分の取引をする顧客が、3年間購買を続けたとしましょう。この顧客は一年間あたり12回、一万円分の売上を生み出します。それを三年間続けるので、累積売上額は1×12×3=36万円となります。
これを公式として表すと以下のようになります。

顧客LTV = (平均購買単価)x(購買頻度)x(継続購買期間)

しかしこの式ではまだ不十分です。なぜなら、この顧客を獲得するのにかかったコストが一切考慮されていないためです。そのため、ここに新規顧客獲得のコストと、既存顧客維持のためのコストを追加します。

顧客LTV = (平均購買単価)x(購買頻度)x(継続購買期間)/(新規獲得コスト+顧客維持コスト)

これが顧客LTVを求める式になります。

LTVを最大化するために必要な施策とは?

顧客LTVは企業全体の利益額に直結しているため、利益率の改善のためには、この数値を出来るだけ向上させることが必要です。前項の計算式に注目してみましょう。平均購買単価、購買頻度、継続購買期間については増やすことで顧客LTVが向上し、新規獲得コストと顧客維持コストについては減らすことで顧客LTVが向上することが読み取れます。
それではそれぞれの要素を増大、または減少させるにはどのような方法があるのでしょうか。

平均購買単価(平均客単価)を上げる

平均購買単価を上げるためには、一度に多量の、または多額の購入をしてもらう必要があります。多量の購入を促す手段としてセールの開催や、セット販売が挙げられます。多額の購入を実現するには、商品の価格を上げるだけでなく、分割払いで高価な商品購入の敷居を下げたりする方法も有効です。また平均購買価格は粗利率とも強い関係を持ちます。

セールや値下げで粗利率を下げると、1つあたりの売上額は下がりますが、代わりに購入数が増加しやすくなるため結果として平均購買単価の増加につながる場合もあります。但し、事前に十分な検討を行ってから粗利率を変更しないと、かえって平均購買単価を下げてしまう結果になる可能性もあるため注意が必要です。

購買頻度を上げる

購買頻度を上げるためには、顧客が商品を何度も購入したくなる取り組みをすることが効果的です。例えば、3ヶ月連続で商品を購入した顧客になんらかの特典をプレゼントする、関連商品の追加購入を促すなどの方法があります。定期的、または頻繁な購入が顧客にとってメリットになるようにしていくことが重要になります。

継続購買期間を長くする

自社の商品やサービスを長期に渡って顧客に購入してもらうための鍵は、既存顧客のうちの優良顧客の割合です。すなわちリピート率が高く、自社との関係が良好な顧客の割合をどれだけ増やせるかということです。顧客と良好な関係を維持するためには、細やかなサポートやコミュニケーションをかかさず行うことが大切になります。

新規顧客獲得のコストを下げる

新規顧客獲得にかかるコストは、広告費に使った金額だけでなく、その広告によってどれだけの顧客を獲得できたかによっても左右されます。そのため、様々な媒体で目につくように、多方面から顧客への広告を行う必要があります。

既存顧客維持のコストを下げる

既存顧客維持のためには、顧客との密接なコミュニケーションや丁寧なサポート、サービスが必要です。しかし、そのためにかかるコストを無計画に削ることは顧客離れにつながります。結果として新規獲得のコストが余計にかかってしまい、全体としてLTVが低下します。ですから顧客維持の努力は怠らずに、サービス統合や業務の効率化によってコストを削減できないか考慮すると良いでしょう。

オムニチャネルとはなにか?

オムニチャネル(omni channel)とは、流通や販売の際に様々なチャネル(集客のための媒体・経路のこと)を連携させ、多様な形で顧客との接点を持つ戦略のことを言います。オムニ(omni)とはラテン語で「すべて、さまざまな」といった意味です。

店舗だけではなくインターネットやモバイル、コールセンターなど様々な媒体を統合し相互に連携し合うことで、顧客の満足度や利便性の向上が見込めます。また、部門の統合によって部門それぞれによる顧客の奪い合いや対立が解消され、業務の効率が良くなります。

顧客LTVを増大させる!オムニチャネルを活用した施策とは

オムニチャネルを活用した施策を導入することは企業の活動に様々な恩恵をもたらし、顧客LTVの改善に役立ちます。

ユーザー体験の向上により、顧客満足度が高まる

オムニチャネルを導入することにより、顧客は商品購入、利用の際の利便性が向上します。店頭で商品を見た後にインターネットで注文したり、ホームページで予約をしてから来店するなど、顧客の満足度向上につながるシステムが構築できます。

チャネル全体に最適なタイミングでの広告出稿

部門の統合により顧客データや売上を一括管理することによって、広告出稿に最も適切なタイミングを見極めることが出来ます。部門ごとに広告を出稿する無駄が省けます。

クリエイティブ最適化による広告効果の向上

クリエイティブ最適化とは、広告におけるそれぞれの要素のうち最も効果の高いものを組み合わせることで、広告効果を高める方法です。 オムニチャネルを導入すると、それぞれの媒体に最も効果の高い広告の要素と、そのデータを集めることが出来ます。これによって、チャネル全体の広告効果の向上に役立てることが可能です。

販売地域、チャネルに合わせた価格設定により、売上が向上する

販売地域や媒体によって、求められる商品やその価格が変わります。オムニチャネル導入により、どの地域またどの媒体において、どれだけ売上があるのかを集計し検討することが可能です。この結果を元にそれぞれのチャネルや地域ごとに最適な価格を見出し、利益率や販売数の増加につなげることが可能です。

顧客LTVを増大させるためには、既存顧客との関係性が最も重要です。オムニチャネルはこの既存顧客との関係、また顧客の満足度向上のために有効な戦略なのです。

オムニチャネルを利用した施策はスタンダードになりつつある

以上のように、オムニチャネルは顧客LTV改善を目指す際の大きな助けとなる戦略です。顧客LTVを向上し企業の利益率を最大化するため、オムニチャネルを利用した各施策を実行することは有効な方法といえます。それは企業において、既にスタンダードなものとなっているのです。

また、具体的に顧客データーベースをマーケティングに活用するために必要なサービスとして「WEBSAS」があります。詳細についてはサイト(https://websas.jp/)にて説明していますので、是非とも確認ください。