コラム
2024/08/30

CRM導入とあわせて考えたい、オムニチャネルとは

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CRM導入とあわせて考えたい、オムニチャネルとはこのところ、新たなマーケティング戦略として脚光を浴びているのがオムニチャネルです。このオムニチャネルが、かつて注目を集めたマルチチャネルとどう違うのか、CRMと合わせて導入することでどのような効果を生むのかを以下で説明していきます。

CRMとは

CRMは「CustomerRelationshipManagement」を略したもので、日本語では「顧客関係管理」もしくは「顧客管理」と訳しています。かつてはビジネスを成功させるために必要なのは「ヒト」「モノ」「カネ」の三要素だと言われてきました。具体的には優秀な技術者や営業マン、魅力ある商品、商品開発や営業活動を支える資金力を指します。つまりビジネスが上手くいくか否かは、もっぱら商品やサービスを提供する側の能力しだいと見なされてきたわけです。
それに対し、豊富な資金をバックに優れた人材が優れた商品を提供しても、購入する顧客がいなければ意味がないとする考え方が近年浮上してきました。あくまで顧客を中心に事業戦略を立てビジネスを成功に導くこと、顧客中心主義のビジネスのあり方がすなわちCRMなのです。
CRMが台頭した背景にはITシステムの発達があります。これまでは顧客中心のビジネスを行おうにも、顧客名簿から得られる表面的データと接客担当者の感性に頼るしかありませんでした。そのために売り手側の能力ばかりが重視されてきたわけですが、ITの進歩によって状況は一変しました。膨大な量の顧客情報を一元管理・分析することが可能となり、顧客中心の戦略を打ち出せる基盤が整ったのです。
加えてビジネス環境の変化も大きな要因です。高度経済成長期とそれに続くバブル期は、放っておいても物が売れる時代でした。新規顧客の獲得も一度離れた顧客の再獲得も容易だったのですが、バブル崩壊以降はそうもいかなくなりました。不景気・少子化による人口減少の表面化・顧客ニーズの多様化などにより、物を作っても売れない時代が到来したのです。必然的に売り手による顧客の奪い合いが激化し、同時に現在の顧客の囲い込みが急務となってきました。そこで顧客情報を一元管理して戦略を立てられるCRMを導入する企業が増加したのです。

オムニチャネルとは

一方のオムニチャネル(omni channel)のomniとはラテン語で「すべて、さまざまな」という意味の接頭語、channelはもともと「水路・海峡」などを意味していたのが転じて通信や流通における経路を指すようになりました。つまりオムニチャネルとは、あらゆる経路を連携させて顧客にアプローチしようとする販売手法と訳することができます。
この経路とは店舗・ウェブサイト・モバイル・コールセンターなどで、従来の販売戦略ではこれらのチャネルがばらばらに販促活動を行ってきました。同じ会社・ブランドであっても実店舗とオンラインショップがそれぞれに顧客管理を行っていたために、身内で顧客を奪い合うことも起きてきたわけです。もし社内の全チャネルを連携させて商品と顧客の管理を一括して行えれば、同士討ちを防いで顧客にもその時々に適したチャネルを通じてよりきめ細かなサービスを提供できます。そこでオムニチャネルが期待を集めるようになったのです。
ちなみにマルチチャネルという言葉もよく耳にしますが、これはチャネルの数を増やし、顧客との接点を増やす戦略のことです。オムニチャネルと違い各チャネルは互いに連携していません。かつてマルチチャネル全盛の頃から相互連携の必要性は説かれていたのですが、コストが引き合わずITシステムもまだ未熟だったために当時はチャネル連携が果たせませんでした。その後ITが進歩しネット市場の規模が拡大したために、実店舗とオンラインショップの連携をはじめとする各チャネルの統合が急速に広まっていったのです。

オムニチャネルとCRM、連携のメリットは

ともにITシステムによって支えられているオムニチャネルとCRMは抜群の相性を持っています。全チャネルを連携させて顧客への販促活動を効率良く行うのに、CRMに基づく顧客管理システムは非常に役立ちます。

具体的メリットとしては、実店舗とオンラインショップでポイントを共有できることがあげられます。ネット通販の利用者がたまたま実店舗を見つけ立ち寄った場合、目についた商品を買うかどうかはポイントの共有の有無に大きく左右されます。共有のポイントがつかないならその場では何も買わず、後でネットを通じて同一商品を買うか購買自体を止めてしまうでしょう。もしかしたら店舗には二度と来店頂けないかもしれません。こうした事態を防ぎ、売り上げの向上を図るうえでポイント共有機能の貢献度は高いです。

またCRM上の顧客の過去履歴や利用状況を実店舗で確認・活用できるのも便利です。購買歴やクレーム歴のデータも閲覧可能なので、過去に支払いが遅れたり的外れな苦情を言ってきたりした人物の言動に注意することで、再度の被害を食い止める助けにもなります。

CRMの活用にはやはりオムニチャネル

CRMを導入することで、顧客情報の管理・共有化はずいぶん進むことでしょう。ただ管理システムが優れていても、適切に利用してビジネスにプラスの結果をもたらすのでなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

また、具体的に顧客データーベースをマーケティングに活用するために必要なサービスとして「WEBSAS」があります。詳細についてはサイト(https://websas.jp/)にて説明していますので、是非とも確認ください。