コラム
2022/02/09

CRMを使って顧客分析!5つの手法を解説

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はじめに

CRMを使って顧客分析!5つの手法を解説 CRMを使って顧客分析!5つの手法を解説

CRMというマーケティング用語があります。「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」という意味ですが、これを適切に用いて顧客分析を行うと企業の売り上げの向上を図ることができます。CRMを用いた顧客分析の5つの手法について解説します。

CRMを用いた顧客分析には以下の5つの手法があります。

1.デシル分析

デシルとは10等分という意味で、デシル分析とは、全ての顧客データを10に分けて分析を行うことです。顧客分析のうち最も基本的な手法です。

2.RFM分析

デシル分析よりも少し詳細に顧客を分析する手法です。RはRecenty(最新購買日)、FはFrequency(購買頻度)、そしてMはMonetary(購買金額)のことで、どの顧客が一番最近買い物したか、よく買い物する顧客は誰か、一番お金を使ってくれている顧客は誰か、という観点で分析します。

3.セグメンテーション分析

「Segmentation(セグメンテーション)」は区分けや分割するという意味で、顧客を意味のある要素で細かく分割して分析しようとする手法です。

4.行動トレンド分析

購買・購入トレンド分析とも呼ばれますが、POSデータを利用して取得した、年齢別と性別で分類された購買データの時系列的変化を把握し分析します。

5.CTB分析

CはCategory(カテゴリー)、TはTaste(テイスト)、BがBrand(ブランド)です。商品をCTBに分けた上で、どの商品をどの顧客が購入するか、購入商品ごとの関連性はあるのかを分析します。

顧客分析を行う理由

では、なぜ企業は顧客分析を行うのでしょうか。顧客分析1つとっても、上のようにさまざまな手法が存在するのはなぜなのでしょうか。それは、企業は顧客分析を行うことによって、売り上げの向上を図ることができるとされるからです。
そもそも、顧客分析のもととなるCRMの考え方は1990年代前半にアメリカで誕生したマーケティング手法で、顧客データを年齢や性別といったものだけではなく、趣味や嗜好、問い合わせ履歴などを含めたあらゆる観点から分析することで個々の顧客の満足度を最大化し、売り上げの向上を目指そうとするものです。
この分析を適切に行うことによって、新規顧客や見込み客の獲得、そしてロイヤルカスタマーの育成につながります。さらに、顧客を獲得するための営業費用など、顧客獲得単価は削減することが可能となります。そのため、企業はさまざまな観点から顧客データを分析し、顧客の傾向を掴もうとしているのです。
この実現のためには、企業は単に顧客データを一通りの手法で分析して終わるのではなく、ターゲットとなる顧客像を明確化し、分析したデータを活用するというところまで行うことが大切です。

実際に顧客分析を行うための方法

ここでは顧客分析を行う5つの手法について、それぞれ実際のやり方を解説します。

1.デシル分析

まず、全顧客を購入金額の高い順でソートします。そして上から顧客数で10グループに分けます。顧客数を10等分できない場合は金額の低いグループで調整して構いません。そしてグループごとの購買金額の合計を出し、全購買金額に占める割合を算出します。
この手法は非常に簡単で分かりやすい反面、いつ購入したのかという購買日が指標に入っていません。そのため、以前に多額の買い物をして、その後は購入履歴がないという顧客も購入金額上位に入る可能性があるというデメリットがあります。売上期間をいつからいつまでに区切って分析を行うのかは考慮が必要です。

2.RFM分析

R(最新購買日)が最近であるほど優良顧客、F(購買頻度)が多いほど優良顧客、そしてM(購入金額)が多いほど優良顧客として、グループ化していきます。この分析で、最も重要な指標はRです。どんなに購入金額が高くても、最近の購入履歴がない場合は、すでに他の企業に奪われてしまっているものと捉えます。
この分析方法は簡単でありながらデシル分析よりも詳細なのですが、Rがデータとして残っていないとそもそも分析ができません。そのため、見込み客へのアプローチには用いにくいこと、また、購入頻度が少ない車販売や住宅販売、一度に大量売りするような業種には向かないというデメリットがあります。

3.セグメンテーション分析

セグメンテーション分析はフィリップ・コトラーの提唱したSTP分析のSに該当します。ちなみに、Sはセグメンテーションですが、TはTargeting(ターゲティング、標的市場の決定)、PはPositioning(ポジショニング、自社の立ち位置の明確化)です。企業として生き残るため、どこを市場とするかを決定するためのマーケティングの基礎的考え方です。
セグメンテーション分析は先にも述べたように、市場を意味のある要素によって細分化するということですが、この分析がなぜ必要かというと、販売する際のコンセプトを明確にし、軸がぶれないようにするためです。どの年齢層でどの地域に住み、そして、どのような要望がある人かなどでセグメントし、コンセプトを決定します。
この手法はどこまで細分化するかという点がポイントです。細分化すればするほど戦略も細かくなります。かといって複数の戦略を実行することは効率的ではありません。その辺りの兼ね合いが大切といえます 。

4.行動トレンド分析

これはある特定の期間(シーズン)に的を絞って分析します。まず、顧客を年齢層ごとのグループに分けます。そして、どのグループがいつシーズン商品を購入するかを記録、調査します。商品を投入後、早く購入してくれる人が企業にとっては良い顧客です。この分析によって流行(トレンド)を作っているのがどのグループであるのかが分かります。主にシーズン商品を扱うアパレル企業が用いる手法です。
この方法のデメリットは、単純に年齢層別の購入日時のデータを追っているだけでは、思わぬ読み違いをする場合があることです。いわゆる異常値です。データの裏の理由を考えること、どのような場合には異常値と見るのかの定義の確認、検出方法と対応方法を考えておくことが必要です。

5.CTB分析

先に少し述べたように、CTBはカテゴリー、テイスト、そしてブランドの頭文字です。カテゴリーはファッション、雑貨、インテリアから、婦人や子供、あるいはトップスやボトムなどの大分類から小分類までを含みます。テイストは色、素材、サイズなどを指し、ブランドはファッションブランドやキャラクター物などです。
ある顧客が1年前にどの商品を購入したかが分かっても、今年もそれを購入する可能性はおそらく低いでしょう。しかし、好みのテイストが分かっていれば、どのような商品を購入するかの予測が立てられます。
このようなCTB分析を行うことができれば、顧客の行動を今までよりはるかに多く予測することができるのですが、現在のPOSコードで取得できる情報には限りがあります。実際にはなかなかCTB分析を行うことは難しいというのがデメリットです。

企業のサービスや目的によって分析手法を見極めよう

これまで述べてきたようにCRMを使った顧客分析には5つの手法があります。一番簡単なものはデシル分析、少し詳細になるとRFM分析となり、また、特定要素ごとに分析可能なセグメント分析や、アパレル関係に最適な行動トレンド分析もあります。CTB分析はとても詳細に顧客行動を予測できますが、全ての企業が簡単に導入できるものではありません。
このようなCRMを使った顧客分析を適切に行うことは、企業の売り上げ向上に大きく貢献します。これら手法の特徴を踏まえた上で、サービスや目的によってどの分析手法を用いるのか見極めることが大切です。

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