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「商品だけ」のB2BECは損してる?付帯作業やカスタマイズの見積デジタル化で顧客満足度と効率を両立させるポイント

2026/02/19公開
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B2Bビジネスでは、「商品だけを売る」というシンプルな取引ばかりではありません。
例えば新しい機械を導入する際には、それに付帯する設置工事が必須だったり、顧客の要望に応じて仕様を調整するセミオーダー形式で商品を受注したりと、「商品」に加えて付帯作業やカスタマイズ対応を合わせて提供するケースが多々あります。

このような商品以外の付帯作業やカスタマイズを含む受注が多い場合、単に商品だけを見積・発注できるB2BECサイトを構築しても、その効果は限定的になってしまいます。
そこで、付帯作業やカスタマイズの見積・注文も合わせてデジタル化することで、営業担当者の見積作成・受注対応にかかる手間を大幅に削減できます。 さらにエンドユーザー(顧客)側から見ても、リアルタイムでサービス内容が可視化され、要望を効率的に伝えることができるため、顧客利便性の向上も期待できるのです。

この記事では、B2Bビジネスにおける特殊な見積パターンと、それらをB2BECサイトでデジタル化する理由とポイントをご紹介します。

特殊な見積パターン

まずは特殊な見積パターンについて、デジタル化する際のイメージとあわせてご紹介します。

  • 付帯作業の見積: 設置工事などのサービス化ができる定型的な付帯工事がある場合【例:空調設備、給湯器、複合機等】
    エンドユーザーが商品を注文する際に、それに付帯する標準設置工事や、追加で必要となるオプション工事(例:高所作業費、隠蔽配管工事など)が必要となる場合があります。
    デジタル化する際は、これら付帯作業を商品と合わせて選択できるようにします。

    <デジタル化する際の実現イメージ例>

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  • カスタマイズの見積: セミオーダー形式でカスタマイズできる場合【例:基板、店舗什器、ユニフォーム・作業服等】
    エンドユーザーが用途や要望に合わせて、基本仕様に加えてデザイン、素材などを自由に選択・カスタマイズできる場合があります。
    デジタル化する際は「コンフィギュレーター機能(※)」を導入し、選択内容に応じてリアルタイムで価格を表示、そのまま見積・注文まで完結できるようにします。
    • ※コンフィギュレーター:要求する仕様を入力することで、商品構成を作成するツール

    <デジタル化する際の実現イメージ例>

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  • 複雑な見積: 個別性が高く複雑な場合【例:特定のライセンス販売、大規模システム導入、特殊な設備設置等】
    細かな条件により見積が変動するため、個別性が高くロジック化が困難な場合もあります。また何とかロジック化して作り込んだとしても、構築コストに対する費用対効果を得られないパターンがあります。
    こういった場合は無理にデジタル化せず、代わりに顧客が「見積依頼フォーム」から詳細な要望や既存環境に関する申請書などを添付して送信できるようにします。

では、なぜこれらの特殊な見積をデジタル化する必要があるのか、その理由をご説明します。

付帯作業やカスタマイズの見積をデジタル化する理由

付帯作業やカスタマイズの見積は、商品に付随する「形のないサービス(役務)」の提供にかかる費用や内容の見積を意味します。
これらの役務は形がないため、顧客にとっては「何を受け取れるのか」「どのような成果が得られるのか」が分かりにくいという特性があります。
そこで役務を具体的に言語化し、金額と紐づけることは、顧客がサービス内容とその価値を理解し、納得するための可視化につながります。

またサービス内容が曖昧な表現であったり、追加費用等が明確化されていないと、問い合わせが増えて業務負荷となります。
見積書になぜその費用が発生するのか、どのような作業が含まれるのかといった根拠を詳細に記載すれば、エンドユーザーの理解も容易になり、提供する側も問い合わせ対応工数を削減できます。

従来は営業担当者が手作業で作成していましたが、デジタル化することで、付帯作業やカスタマイズの見積作成における営業担当者の手間を削減することができます。
またデジタル化が難しい複雑な見積の場合においても、営業担当者はECサイトを通じて受け取った情報を元に、効率的に個別見積を作成できるようになります。

続いて、B2BECサイトでデジタル化する際に押さえておくべきポイントについてご説明します。

B2BECサイトでデジタル化する際に抑えておくべきポイント

B2BECサイトでデジタル化するにあたり、押さえておくべきポイントは主に以下の通りです。

  • 付帯作業内容の「商品化」
    無形の役務を具体化してECサイト上でサービスを「商品」として明確に定義し、パッケージ化することが不可欠です。例えば、「基本設置工事パック」「プレミアム保守サービス」のように、具体的な内容を提示します。
    詳細な情報提供するために、各サービスの商品ページには期待できる成果、対象顧客、実施プロセス、必要な準備などを詳細に記載し、顧客が購入後のイメージを掴みやすいように工夫します。
    また、フローチャートや導入事例動画、比較表などを活用し、複雑なサービス内容も視覚的に分かりやすく伝えることも重要です。
  • 自社のサービスを考慮したコンフィギュレーター機能
    基本的なサービスに加え、顧客の要望に応じて追加できるオプションや、予算に応じた複数のプランを提示することで、顧客の選択肢を広げ、よりニーズに合った提案を可能にします。
    そこでコンフィギュレーター機能を用意し、 ECサイト上で選択肢を表示して選ばせるようにしたり、顧客が視覚的に分かりやすくサービスをカスタマイズできるようにしたうえで、内訳(基本料金、オプション料金、追加工賃など)を項目ごとに表示します。
    さらにB2B特有の割引対応として、数量や規模に応じたボリュームディスカウント、契約期間に応じた割引などを自動で適用・表示する必要があります。
  • 各種サポートと営業との連携
    顧客がサイト上で疑問を即座に解決できるよう、FAQ(よくある質問)コンテンツやチャット機能を提供し、複雑な内容はオペレーターへのスムーズな引き継ぎができるようにしておきます。
    さらに手厚いサポートを用意するのであれば、必要に応じて営業担当者や専門家とのオンライン面談をサイトから予約できる機能を提供し、ECサイトでは完結しにくい複雑な案件にも対応できる体制を整えることも有効です。
    また複雑な案件やロジック化が難しい場合は、「詳細見積依頼フォーム」や「オンライン相談予約」を通じて、営業担当者へのスムーズな引き継ぎフローを構築します。

デジタル化の効果を最大限享受するためには、上記のポイントを押さえたうえで、自社のサービス内容に合わせてECサイトを構築する必要があります。 そのため適切なソリューション、ベンダーの選定が不可欠となります。

まとめ

B2Bビジネスにおいて、商品に付帯する作業やカスタマイズ対応のデジタル化は、単なる業務効率化にとどまらず、顧客満足度を向上させ、ビジネス全体の効率と競争力を高める重要な戦略です。
ECサイト上で付帯作業やカスタマイズの見積機能を構築する際は、役務をいかに分かりやすく提示し、またB2B特有の複雑なニーズや商習慣に対応できるよう、カスタマイズ性のある見積機能、そして各種サポートと営業との連携を意識した設計が不可欠です。

「自社の商材は特殊だからデジタル化は無理だ」と諦める前に、まずは複雑な見積業務をシステムでどう再現できるか、B2Bの知見が豊富な専門家に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
自社のサービス内容にフィットした最適なECサイトを構築することが、B2Bビジネスのさらなる成長につながります。

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