
代理店ビジネスを最大化!今すぐ実践したいB2BECサイト活用の秘訣

B2Bビジネスでは、自社の製品やサービスを直接顧客に販売するだけでなく、代理店を通じて販売するケースが多く見られます。代理店販売は直接販売とは異なる特性を持っており、独自の仕組みが必要となります。
B2Bビジネスにおける代理店販売の基本的な特徴と、直接販売との違いについて説明します。これらの特性を理解することで、なぜ代理店向けB2BECサイトに特別な機能や配慮が必要なのかが明確になります。
代理店販売の主な特徴として以下が挙げられます:
- 商品の卸先として代理店企業とその先に販売先企業が区別される
- 代理店からの受注に対して、代理店への配送と販売先企業への直接配送の2パターンが存在
- 代理店企業の取引実績に応じたランク制度の導入と、ランクごとの価格優遇の適用
- 代理店企業の販売目標設定と、それに対する進捗管理の必要性
- 代理店企業向けの営業資料・販促ツールの提供や、共同プロモーションの実施
- 代理店企業に対する商品知識、営業ノウハウ、技術情報などの提供と専用サポート体制
こうした特性を踏まえ、代理店向けB2BECサイトには一般的なECサイトとは異なる機能や配慮が求められます。
代理店向けB2BECサイトを検討するうえで考慮すべきポイント
代理店向けB2BECサイトを構築する際に考慮すべき主要な3つのポイントについて解説します。ビジネスモデルに合った設計、代理店の利便性向上、販売管理の効率化という観点から検討すべき事項を紹介します。
● 代理店向けのビジネスモデルに合った設計
代理店ビジネスでは、取引先ごとに条件が異なることが一般的です。そのため、ECサイトもその特性に合わせた柔軟な設計が必要となります。
- 価格体系の違い:代理店ごとに仕入れ価格が異なるケースが多いため、ランクや個別での価格設定が可能なシステム構築が不可欠です。
- 仕入れ量と割引:仕入れ量に応じたボリュームディスカウントを適用できる仕組みも重要な要素となります。
- 契約条件の違い:代理店ごとに取引条件(支払いサイト、最低発注量など)が異なる場合、それらを適切に制御できる機能が必要です。
● 代理店の利便性向上
代理店の業務効率化と満足度向上のために、以下の要素を考慮することが重要です。
- 簡単な注文プロセス:過去の注文履歴からの再注文機能やCSVアップロードによる大量注文機能などを提供し、発注作業の効率化をサポートします。
- 販促促進の支援:代理店からの販促ツール提供申込み、キャンペーン・イベント開催要請などに柔軟に対応できる仕組みが求められます。
- サポート体制の整備:技術情報やFAQの充実、チャットボット設置などによるサポート体制の強化が代理店の業務をスムーズにします。
● 販売管理の効率化
基幹システムとの連携を行うことでのリアルタイムでの情報提供や自動化による効率化も検討しましょう。
- 在庫管理の連携:リアルタイムで在庫状況を表示することで、代理店からの問い合わせを削減し、業務効率の向上につながります。
- 受発注管理の自動化:代理店からの注文をスムーズに処理し、ERPや倉庫管理システム(WMS)と連携させることで、バックオフィス業務の効率化が図れます。
代理店向けB2BECサイトで求められる機能
代理店向けB2BECサイトに実装すべき6つの主要機能について詳しく解説します。これらの機能は代理店ビジネスを効率的に運営し、代理店との良好な関係を構築するために不可欠な要素です。
● 代理店管理、ユーザ管理
代理店ビジネスでは階層的な関係性を適切に管理することが重要です。代理店企業とその販売先企業を階層構造で管理できるシステムが必要となります。また、代理店ランクの条件設定機能も欠かせません。
代理店内では複数のスタッフがECサイトを利用するケースが多いため、複数ユーザーが利用可能なアカウント管理機能と、発注権限、閲覧のみ、承認者などの権限管理機能が求められます。
● 代理店向け価格設定
代理店企業ごとのランク設定と、それに応じた販売価格設定は基本機能として必要です。場合によっては代理店企業ごとに個別の価格設定も求められます。
また、販売数量に対するボリュームディスカウントや、代理店企業ごとのキャンペーン適用など、柔軟な価格設定機能も重要です。
● 在庫・納期情報表示
代理店企業にとって、商品の在庫状況や納期は重要な情報です。リアルタイムでの在庫表示機能は必須といえるでしょう。
また、代理店企業向け配送と販売先企業への直送など、異なる配送パターンに対応した納期予定表示機能も求められます。
● 受発注管理
代理店ごとの注文履歴・ステータス管理機能は、取引の透明性と追跡性を確保するために重要です。また、B2B取引では大量発注のケースも多いため、CSV/Excelによる大量注文機能も必要となります。
● レポート・分析機能
代理店ごとの購入履歴分析機能や、販売データのダッシュボード表示などのレポート機能は、代理店ビジネスの最適化に役立ちます。
● 情報発信・サポート機能
代理店ポータルによる情報発信コンテンツの掲載や、問合せ機能(問い合わせチケット管理、チャットボットによる自動応答など)、さらには代理店間のコミュニケーション機能なども、代理店ビジネスの強化に貢献します。
代理店向けB2BECサイト導入時の課題と解決策
代理店向けB2BECサイトを導入する際に直面しやすい4つの主な課題と、それらを効果的に解決するための方策について解説します。これらの課題を事前に認識し対策を講じることで、円滑なシステム導入と運用が可能となります。
● 代理店毎の価格設定の管理負荷
代理店企業ごとにランク別、企業別に異なる価格体系を運用する際、管理が煩雑になりがちです。また、人手での運用の場合、販売価格を誤って設定してしまうリスクも発生します。
このような課題に対しては、基幹システムにてERPやPIM(商品情報管理システム)を利用した一元管理を行い、ECサイトとデータ連携することで設定の手間を省き、設定ミスも防ぐことができます。
● 掛け売りのリスク
代理店の信用リスクを適切に評価しないと、未回収リスクが発生する場合があります。与信管理ツールとの連携により、適切に与信を管理することでこのリスクを回避することが可能となります。
● 在庫・納期管理の正確性
代理店企業に向けてリアルタイムで正確な在庫情報を提供する必要があり、また代理店企業への配送と販売先企業への直送などの違いを考慮した納期表示も求められます。
WMS(倉庫管理システム)やERPとの連携により、これらの情報をリアルタイムかつ正確に表示することが可能となります。
● システムの複雑化
企業ごとに代理店ビジネスの仕組みが異なるため、標準機能のみでは対応できず、独自のカスタマイズで対応することが多く、システムが複雑化しがちです。ただし、これらの独自性はビジネスにおける差別化ポイントにもなります。
こうした独自要件に対しては、柔軟に対応できるB2B ECプラットフォームを選定することが重要となります。
まとめ
代理店向けのB2BECサイトを構築するには、価格設定の柔軟性、発注のしやすさ、与信管理の工夫が重要です。システムの選定時には、ERPやWMSとの連携も視野に入れながら、代理店にとって利便性の高いサイトを設計することが成功の鍵となります。
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