コラム
2024/12/24

BtoB ECサイトの導入メリット|課題や構築方法についても解説

  • コンサルティング

BtoB ECサイトの導入メリット|課題や構築方法についても解説現在の職場で、初めてBtoB ECサイトの導入を検討することになった場合、まずはBtoB ECサイトについて情報収集するでしょう。

そこで本記事では、BtoB ECサイトの導入を検討している企業のシステム管理担当や広報の人などに向け、基礎知識やメリットを解説します。BtoB ECサイトに関する課題やデメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. BtoB ECに関する基礎知識
  2. BtoB EC市場が成長している理由
  3. BtoB ECとBtoC ECのサイトの違い
  4. BtoB ECサイトの導入メリット
  5. BtoB ECサイトの導入に関する課題やデメリット
  6. BtoB ECサイトの導入方法
  7. BtoB ECサイトの導入前にしておくべきこと
  8. BtoB ECを導入する際のポイント
  9. まとめ

BtoB ECに関する基礎知識

BtoB ECサイトの導入を検討するためには、まず基礎知識を把握しましょう。

BtoB ECとは

BtoBは企業間取引、ECは電子商取引を指す用語です。つまり、それらを組み合わせたBtoB ECとは、インターネット上で企業間取引をする仕組みのことをいいます。なお、BtoB ECの手法には、主に「ECサイト」と「EDI(Electronic Data Interchange)」があります。

【ECサイトの特徴】

  • インターネット上で商品の購入や決済、販売管理などをする

【EDIの特徴】

  • 固定電話回線や専用回線、インターネットを用いて企業間でデータのやり取りをする
  • 取引先ごとにやり取りするための専用端末が必要な場合がある

BtoB EC市場の動向

日本国内のBtoB EC市場は、コロナウイルス感染症が流行した際に、一時的に市場規模が縮小したものの、近年は再び拡大している傾向にあります。

BtoB EC市場が成長している理由

BtoB EC市場が成長しているのは、ITが普及し進化し続けていることで、市場参入がしやすくなったことにあるとされています。

また、働き方改革や、BCP対策の推進が重要視されるようになり、BtoB EC市場への参入は、その推進に資すると考えられているためでもあります。BtoB ECを導入し、アナログなやりとりを減らすことで、生産性の向上や業務環境の改善も見込めるでしょう。

BtoB ECとBtoC ECのサイトの違い

BtoB ECとBtoC ECのサイトには、次のような違いがあります。

取引対象

BtoBはBusiness to Businessの略であり、BtoB ECサイトは企業と企業が取引するWebサイトのことです。具体的には、メーカーや卸問屋、小売店の間で取引が行われます。一方で、BtoCはBusiness to Customer/Consumerの略であり、BtoC ECサイトは企業と一般消費者の間で取引します。

取引価格

BtoB ECサイトでは、取引する商品やサービスの価格は、取引先や取引量、市場動向によって異なります。また、取引先との関係性によっては、通常価格から値引きして販売する場合もあるでしょう。

しかしBtoC ECサイトでは、掲載している商品はすべてのユーザが同条件で閲覧し、購入するため、1つの商品やサービスに対する価格は顧客によらず同じです。

決済方法

BtoB ECサイトでの取引の決済方法は、掛け売りが一般的です。掛け売りとは、商品の支払いを月末や翌月末など企業間で決められた支払い期日に、まとめて決済する方法です。また、掛け売り以外に銀行振込による前払いなどが使用される場合があります。

一方で、BtoC ECサイトでの支払いでは、一般的に代金引換やクレジットカード決済などの決済方法が使用されます。

掲載商品

BtoB ECサイトでは、一部の取引先向けに生産しているものや、取り扱いに資格が必要なものなどがあるため、取引先によって掲載する商品やサービスが異なります。しかし、BtoC ECサイトでは、すべての顧客に対して同じ商品やサービスを掲載し、販売します。

BtoB ECサイトの導入メリット

BtoB ECサイトの導入を決めるには、自社にとってメリットがあるかどうかが重要なポイントです。BtoB ECサイトの導入には、次のようなメリットがあります。

受注業務の精度向上ができる

アナログ管理により、従業員が手作業で受注に対応している場合は、BtoB ECサイトを導入することによって受発注業務をシステム化できます。結果、従業員が手作業で進める行程が減るため、受注業務のヒューマンエラーが生じにくくなるでしょう。

24時間受注できる

顧客からの注文を電話やFAXなどで受けている場合、営業時間外は受注できません。これは、ビジネスチャンスを喪失していることにもなるでしょう。しかし、BtoB ECサイトであれば、従業員のいない間も受注が可能になるため、24時間いつでも受注できるようになります。

問い合わせ業務の負担を軽減できる

商品やサービスに関するさまざまな問い合わせを電話やメールで受けている場合、従業員は本来の業務に集中できないというケースが少なくありません。

そこで、BtoB ECサイトを導入すると、顧客は自身で知りたい情報を確認できるようになるため、商品やサービスに関する問い合わせ対応の負担を軽減できるでしょう。

既存顧客からの受注が増える

BtoB ECサイトを導入すると、商品購入や受注管理だけでなく、既存顧客向けにさまざまな販促ができるようにもなります。販促の具体例としては、新商品やキャンペーンの情報提供や限定販売などで、これらの販促は、受注増加にもつながるでしょう。

また、顧客の購買データなどを収集できるため、そのデータをもとに、顧客に適した商品の提案もできるようになります。

新規顧客を獲得できる

BtoB ECサイトの導入は、地域を問わず幅広い企業に自社の商品やサービスを、閲覧してもらえるようになります。その結果、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。また、BtoB ECサイトをオウンドメディアとして活用して、検索流入を狙うことも可能です。

受注業務のコストを削減できる

BtoB ECサイトを導入して、インターネット上で受注できるようにすると、受注業務の手間が省けたり24時間受付ができるようになったりします。加えて、販売にかかわる必要な印刷費や郵送費用などの経費も削減できるでしょう。また、受注業務を効率化することで省人化できるようにもなり、人件費削減も可能です。

BtoB ECサイトの導入に関する課題やデメリット

BtoB ECサイトの導入には、多くのメリットがある一方、導入を検討するにはデメリットも把握しておく必要があります。

導入には費用がかかる

BtoB ECサイトを導入するためには、サイト構築などのために初期投資が必要です。パッケージ化されたものを利用するなど、初期投資を抑える方法もあります。しかし、導入内容によっては費用が莫大になる場合もあるでしょう。

既存業務の改修が必要になる

BtoB ECサイトを導入する場合、既存業務へどのように組み込むかが重要になります。場合によっては、自社の業務フローやシステムの改修が必要になり、導入までに時間と労力を要する可能性があるため、計画的に進めなければなりません。

既存顧客へのフォローが必要になる

BtoB ECサイトを導入する場合、従来の商取引に慣れた顧客に説明して理解してもらい、導入後には適切なフォローをして不満を解消する必要もあるでしょう。また、社内でもBtoB ECサイトの情報セキュリティや、取引方法に関する情報を提供したり、既存顧客向けにアカウントを発行したりなどの対応が必要になります。

BtoB ECサイトの導入方法

BtoB ECサイトの導入には、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を紹介するので、自社に合った方法がどれに当てはまるか検討してみましょう。

ASP型

ASP型とは、BtoB ECサイトの構築に必要なものをクラウド上でレンタルできるサービスを利用して、BtoB ECサイトを構築する方法です。

ASP型は、短期間でBtoB ECサイトを構築できる特徴があり、低コストで構築できるのもポイントです。システムの保守管理が不要である一方、カスタマイズ性や拡張性が低い場合が多いため、自社のサービスに十分な対応ができるか注意しなければなりません。なお、無料のASPもあるものの、使える機能を制限されている場合が少なくありません。

パッケージ型

パッケージ型とは、BtoB ECサイトの運営に必要な機能を盛り込んだソフトウェアを購入して、ECサイトを構築する方法です。

パッケージ型は、カスタマイズ性が高く、外部システムとも連携しやすい特徴があります。また、情報セキュリティもしっかりしているため、安心して利用できるでしょう。一方で、初期費用が高いというデメリットがあるため、自社の導入目的や予算に見合っているかを検討する必要があります。

クラウド型

クラウド型とは、クラウド上でBtoB ECサイトを構築し運用する方法です。ASP型と似ているものの、クラウド型はカスタマイズ性や拡張性が高く、情報セキュリティも高いのが特徴です。

なお、パッケージ型と同様に初期費用が高いというデメリットがあり、月額利用料もかかるため、ランニングコストも予算に組み込む必要があります。

フルスクラッチ型

フルスクラッチ型は、BtoB ECサイトを一から自社で設計・開発し、保守運用する方法です。自社のニーズに合わせて最適なECサイトを構築でき、オリジナルの機能やUIを盛り込めるため、競合他社との差別化もできます。

一方で、フルスクラッチ型は、ECサイトの構築までに膨大な時間と費用がかかります。開発スキルを持った人材の確保も課題になるでしょう。

BtoB ECサイトの導入前にしておくべきこと

BtoB ECサイトを導入するかどうかを検討する際には、導入によって達成したい目標を明確にしておきます。また、競合他社や市場なども、導入前に分析しておくとよいでしょう。

加えて、BtoB ECサイトの導入方法も自社の導入目的や予算に沿って選定し、実際の運用方法もあらかじめ考えておくようにします。

BtoB ECを導入する際のポイント

自社でBtoB ECサイトを導入する際には、次の条件を満たしているかどうかを判断材料にしてください。

ユーザの利便性はどうか

顧客に自社の製品やサービスをより多く発注してもらうには、製品やサービス自体が魅力的であることはもちろん、BtoB ECサイトの利便性も重要です。

顧客が必要な商品をスムーズに探せる、さまざまな決済方法に対応している、便利な機能を搭載しているなど、ユーザの利便性を向上させる工夫も検討しましょう。

情報セキュリティはどうか

BtoB ECサイトでは、企業の機密情報を取り扱う場面が多くあります。そのため、強固な情報セキュリティ対策が必要です。BtoB ECサイトを導入する際は、通信の暗号化やアクセス制限、ユーザ認証などの対策が必須にもなるでしょう。

まとめ

企業間で取引するBtoB ECサイトの導入は、受注業務の精度を上げることでヒューマンエラーを減らしたり、24時間対応が可能になることで、受注機会を増やしたりできるなどのメリットがあります。なお、導入には初期費用がかかりますが、適した導入方法を選択することで少ない予算で始めることが可能です。自社の目的や予算に合わせたBtoB ECサイトを導入してみてはいかがでしょうか。

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