コラム
2022/09/22

マーケティングの基本、デシル分析解説

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マーケティングの基本、デシル分析解説 顧客が商品を購入する際にどのような行動をとっているのか把握することはマーケティングにおいてとても重要です。
そのための分析方法のひとつに「デシル分析」というものがあります。
今回はその「デシル分析」について解説していきますので参考にしてください。

マーケティングの基本ともいえるデシル分析とは

まず、「パレートの法則」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これはイタリアの経済学者「ヴィルフレド・パレート」が考えた「売上の80%は20%の顧客によるもの」という理論で、またの名を「80:20の法則」ともいいます。「デシル分析」は、この「パレートの法則」における20%の顧客層を浮かび上がらせるための分析方法だといってもいいでしょう。
ちなみに「デシル」という言葉はラテン語で「10等分」という意味があります。似たような単語に「デシリットル(dl)」という聞き慣れたものがありますが、こちらも意味はほぼ同じで「1リットルの10分の1」という意味です。

デシル分析が活用されてきた現場

では、実際に「デシル分析」はどのような業種、業界で活用されているのでしょうか。
それは、EC(電子商取引)や百貨店などPOSデータとの連動が活用されているフィールドです。
「デシル分析」を行うとなると、まずは顧客の個人データがあるに越したことはありません。つまり、ECのようなまず個人情報が必要となるオンラインショッピングや、会員カードなどを作ってもらいやすく、レジを通すことでPOSデータとの連動が容易な百貨店やスーパーなどが活用に適しているといえます。
「デシル分析」を行うことで優良顧客層を割り出し、ダイレクトメール(DM)や割引クーポンなどに広告宣伝費を集中させる方策がとられています。

誰がデシル分析を行うのか

「デシル分析」は「マーケター」といわれる、マーケティング担当のスペシャリストが行います。 マーケティングとは、消費者や顧客、社会全体にとって価値のあるものを創造、流通、交換するためのプロセスのことを指すのが一般的です。「マーケター」はアナログ、デジタルと市場を問わずにマーケティング活動しています。
「マーケター」に求められるもののひとつに、市場洞察力があります。これは市場の動きや変化を敏感に察知する能力です。今、顧客が何を求めているのか、これからは何が求められるのかを把握、予測する能力が重視されます。
「マーケター」が「デシル分析」を行い、現状の顧客構造を把握し、それを分類してあたることで、効率的なマーケティングを実施します。

デシル分析を使って何を分析するのか

「デシル分析」は、全ての顧客の購入履歴データを参照して購入金額の高い顧客から、1デシル、2デシルと最大で10デシルまでの10ランクに区分します。つまり、対象となる顧客が1000人いるとすれば、その1000人を購入金額の高い順に並び替えて、100人ずつのグループに分けます。そして、全体の購入金額の合計額に対して、それぞれのグループの合計購入金額が何%に当たるかを計算して、グループごとの売上構成比を出すのです。
これにより先に述べた「パレートの法則」における、「売上の80%に貢献している20%の顧客」に該当する優良顧客が把握できます。

何を目的にデシル分析を行うのか

「デシル分析」を用いることにより浮かびあがった優良な顧客層に対して、重点的なマーケティングを施すことが「デシル分析」の目的です。
考えなしに全ての顧客に同一のマーケティングを行わず、1~3デシルの購買意欲が高い、高ランクの顧客層に注力したマーケティングを行うことで費用対効果の向上が期待できます。
例えば、優良顧客層である高ランクのグループには、ある程度の金額の購入で割引のような付加価値が付いてくるセールの情報や割引クーポンをDMなどで送付するほか、高額な新商品などを宣伝することで、結果に結びつく可能性があります。9デシルや10デシルといった、上位以外のグループに対してもマーケティングのスタイルを変えることで、売上の向上が望めます。
「デシル分析」のメリットはデータさえ揃えば分析そのものは比較的簡単にできることです。ただし、金額のみによるグループ分けなので、1度しか買い物をしていないのに、その金額がとても高価だったというだけで、その顧客が上位に食い込んでしまうということがあります。このようなことも踏まえて「デシル分析」はあくまでもひとつの目安だということを覚えておきましょう。

「デシル分析」はシンプルですぐに実践が可能な分析方法

マーケティングの基礎ともいえる「デシル分析」はシンプルで分かりやすい分析方法だといえます。
顧客データを元に1~10デシルのグループに分割して、全体の売上からグループの合計額を割っていけば、思いのほか短時間で分析は可能です。
比較的簡単でシンプルな分析なので、極めて詳細な分析結果は算出できませんが、活用によっては新しい発見が得られることも充分にあるのではないでしょうか。
もし、ECサイトなどを運営していてすぐにデータを揃えられるのであれば、早速実践してみることをオススメします。

また、具体的に顧客データーベースをマーケティングに活用するために必要なサービスとして「WEBSAS」があります。詳細についてはサイト(https://websas.jp/)にて説明していますので、是非とも確認ください。