コラム
2022/06/28

Oracle Webcenter SitesとAcquia(drupal)の案件に携わって

  • CMS

はじめに

Oracle Webcenter SitesとAcquia(drupal)の案件に携わって これまでOracle WebCenter Sitesを利用したCMS案件を多く担当してきたのですが、昨年末あたりからAcquiaを利用した案件に携わるようになりました。
Acquiaについては編集局という立場でコンテンツ制作に関わる業務内容のため、システム開発等に関する面は理解不足のため、コンテンツ制作の面で2つのCMSの相違点を踏まえた見解をまとめさせて頂こうと思います。

Oracle Webcenter Sitesについて

元々はFatwire社製のCMSをOracleが買収しOracle製品としてアップグレードし提供しているCMS。
https://websas.jp/solution/cms/OracleWebCenterSites

Acquiaについて

オープンソースのCMSであるdrupalをベースにしたクラウドサービス。
https://websas.jp/solution/cms/acquia

管理画面のGUI比較

どちらもWebブラウザベースの管理画面だが、以下のようにユーザインタフェースにはかなり違いがある。

①Oracle Webcenter Sitesの場合

画面をフレーム分割し左フレームにツリー構造でコンテンツ(アセット)を表示する形になっている。
画面ごとスクロールする必要はなく各フレームごとのスクロールになるため全体を見渡しやすい反面読み込み直しが多く、操作感や使い勝手はあまりよくないように感じる。

Oracle Webcenter Sitesの場合

②Acquiaの場合

画面全体でスクロールする形となっており、見たい項目や情報を確認するためには都度スクロールが必要となってしまうが、タブ等の切替なく1コンテンツごとの項目すべてがスクロール内に集約されているため直感的に操作しやすいように思われる。

Acquiaの場合

本番リリース方法の比較

編集から公開までのプロセスと実施方法について

①Oracle Webcenter Sitesの場合

開発・編集環境、本番環境がそれぞれ連動しており、開発・編集環境で作成したコンテンツ(アセット)をパブリッシュという形でそのまま本番環境で公開することが可能。
開発・編集環境で確認したものがそのまま同期されるため、差異が発生する可能性が低く安定した公開が可能。

②Acquiaの場合

開発・検証環境は本番環境とは独立しており、編集は本番環境で下書きを行い、確認したものを公開するという形になる。
基本的には下書き状態で公開前のページを事前に確認することは可能だが、多少制約があり完全には公開前に公開後の状態を確認できない部分も発生してしまう。
事前に開発・検証環境にて同様のコンテンツを作成・公開し確認することは可能だが、その内容をそれぞれの環境で個別に作成するため、同一性はシステム的にではなく各自で担保する必要がある。

個人的所感のまとめ(それぞれのメリット/デメリット)

個人的には、コンテンツを作成・編集する観点でいえば、Acquiaの管理画面の方が使い勝手はよいように感じる。
フレーム分割や非同期でのデータ読み込み連動は一見使い勝手がよいように思われるが、いざ使ってみると読み込み直し等の発生頻度が高く、Acquiaのように1コンテンツを編集している間は画面の切り替えや読み込み直しをすることなく完結した方がストレスなく作業できるように思った。

一方、公開に関してはOracle Webcenter Sitesの方がやはり安心感は高いように感じた。
複数環境ありきの構成になるため、本番環境単体でも下書き・確認・公開といった流れが可能であるという点はAcquiaの利点であると思われるが、やはり公開前の段階で下書き保存中のコンテンツのページだけでなく、そのコンテンツを一覧表示している側のページ等他のページでも公開後のイメージで確認出来るとより事前確認での安心感が得られるのではないかと思った。

WEBSASくん