コラム
2025/01/23

カスタマーエクスペリエンスの意味を解説

  • コンサルティング

カスタマーエクスペリエンスの意味を解説近年、カスタマーエクスペリエンスというビジネス用語を耳にする機会が増えましたが、どういう意味で具体的にどのように活用するのか、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。ここでは、カスタマーエクスペリエンスの意味や特徴、導入のポイントについて解説していきます。

カスタマーエクスペリエンスとはどんな意味?

カスタマーエクスペリエンスとは、「顧客経験価値」という意味を持つビジネスマーケティング用語です。商品やサービスを選んだり購入するというプロセスはもちろん、購入後の利用時やサポートに至るまでのトータルの「経験」を通じて顧客が感じる価値を指します。たとえば、商品がたくさんあって選ぶこと自体が楽しい、ショップのデザインが工夫されているので子どもが喜ぶ、などが挙げられます。もう少し発展した考え方として、「このお店でコーヒーを飲んでいたら、おしゃれな人と思わせることができる」というブランドイメージを持たせるのも、これに属する手法と言えるでしょう。流通が発達して商品やサービスがある程度行き届いている現代では、単純な商品・サービスの強化だけで差別化を図るのは容易ではありません。これに対応するべく企業がとる対策のひとつに価格競争がありますが、利益が落ちて消耗戦になることは必至です。そこで現在注目を浴びているのが、商品やサービスを主軸とした「価値ある経験」を顧客に提供すること、すなわちカスタマーエクスペリエンスというわけです。

カスタマーエクスペリエンスの特徴

カスタマーエクスペリエンスによって得られる価値は、大きく分けて5種類存在します。まずは視覚や聴覚、味覚など人間の五感を通じて顧客に訴えかける「知覚的経験価値」から見ていきましょう。たとえば、聴覚であれば店内BGMであったり、嗅覚はアロマや花など香りの演出、視覚はデザインや陳列の工夫などが挙げられます。店舗の業績を伸ばす上で、一番初めに考えうる施策であるかもしれません。

次に、メインとなる商品やサービスではなく接客面を強化する「感覚的経験価値」です。丁寧なサービスや応対など、顧客の感情に対して訴えかけて信頼を得ます。商品やサービスのコンセプト、企業の理念を顧客に伝えることによって、知性や好奇心に訴えかける「創造的経験価値」も、接客面の強化と言えるでしょう。

イメージ戦略の意味では、集団やグループへの帰属意識に訴えかける「準拠集団」も挙げられます。エコ活動やボランティアなどはもちろん、ブランドを身につける喜びなども同じく集団・グループへの帰属意識を刺激するからです。

そして、顧客に新しいライフスタイルを提案する「行動的経験価値」も新しい経験価値の訴えかけと言えるでしょう。食生活や通勤・通学、プライベートタイムなど普段の生活においての時間の利用方法を提案したり、これまでとは違う商品・サービスの利用方法を発案して、顧客の行動や身体に訴えかけます。

カスタマーエクスペリエンスを導入するポイント

ここからは、カスタマーエクスペリエンスを導入していく上でのポイントを見ていきましょう。大きく分けて、3つのステップが存在します。まずは、顧客のプロファイルを作成して、維持・管理することです。お店をリニューアルしたり、デザインを一新しようと思った場合、客層の特徴を知ることは不可欠です。加えて、きめ細かいサービスや接客を提供するなら、どんな商品に興味があるのか、どういうサービスにお金を払う傾向にあるのかを正確に知る必要があるでしょう。購入履歴はもちろん、顧客行動を細かく把握することによって、適切なサービスを効果的に提供できるようになるからです。

顧客について十分理解したら、次のステップとして顧客の対応をパーソナライズすることが挙げられます。ポイントとしては顧客そのものの情報だけでなく、顧客が置かれている状況もあわせて把握することが肝要です。購入履歴だけに留まらず、接客時の顧客との会話や商品のアフターサービスの際など、顧客との接点が情報を得る大きなチャンスです。情報収集と分析によって顧客情報の精度が高まれば、顧客が受け入れやすいタイミングに、的確なサービスを提供できるようになります。インターネットの普及により、現代の顧客は高いレベルの情報収集力と選択肢を持っています。もし目新しさも無ければ、パーソナライズもされていないメッセージを送り続けてしまっては顧客はすぐにでも離れていくでしょう。

そして、3つめのステップとして常に適切なタイミングで、適切な場所に適切なサービスを提供することが挙げられます。2つめまでのステップを丁寧に積み上げていけば、的確なタイミングや場所が見えてくるはずです。的確なタイミングで提供することによって商機を逃さないだけでなく、顧客に大きな感動と信頼を与える結果へと繋がります。

他企業と差別化を図る上でも、消耗戦を回避する上でもカスタマーエクスペリエンスは重要

同業他社が溢れ返るだけでなく、インターネットと流通経路の発展によって、現代のビジネスマーケティングは熾烈を極めます。利益がほとんど得られない消耗戦に参加しないためには、他社との差別化を図るカスタマーエクスペリエンスが必須です。 しかし、闇雲に導入すれば良いというものではなく、購入やサービスの利用を通じて得られる経験が顧客にとって価値あるものになるよう、工夫をしなければ大きな効果は見込めません。自社がどのような商品・サービスを提供していて、顧客は何を求めているかをしっかり分析する必要があります。個別にクローズアップして顧客の情報を集め、サービスの密度を高めていきましょう。

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