
カスタマージャーニーとは?意味と使い方を3分で解説

マーケティングに関連がある人は、「カスタマージャーニー」と呼ばれる用語を耳にすることも多いでしょう。カスタマージャーニーとは従来よりも複雑化しつつある顧客の行動を把握し、マーケティングにおける成果の改善に役立つ考え方です。今回は、カスタマージャーニーの意味や使い方について解説します。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、顧客が製品やサービスを知ってから最終的に登録や購買などのアクションに至るまでの道のりを示したものです。顧客の行動や思考、感情などのプロセスを表すもので、その一連のプロセスを「旅」になぞらえたフレームワーク(考え方)。顧客の行動および心理を時系列で可視化したものが「カスタマージャーニーマップ」と呼ばれます。
カスタマージャーニーのメリット
カスタマージャーニーのメリットとしては、主に以下のような項目が挙げられます。
ユーザー行動の複雑化
近年はスマートフォンやインターネットの普及に伴って、ユーザー行動が以前よりも複雑化しています。顧客がいつどこにいても、インターネットから数多くの商品やサービスと接することができるようになりました。従来型のマーケティング手法では消費者の購買行動が把握しきれないため、様々な状況を想定して個別にどのようなアプローチを行うかを考えなければいけません。そこで脚光を浴び始めたのがカスタマージャーニーという手法です。
なお、カスタマージャーニーと関連するワードとして、1to1マーケティングの概念があります。この概念は、一人一人の顧客の嗜好やニーズに応じて展開していくマーケティング活動を指します。
社内での共通認識をもてる
カスタマージャーニーマップを活用する最も大きなメリットは、チームでの共通認識を構築できることです。チーム内やチーム間、あるいはWEBマーケティングやSNSなど、企業の中では担当者が細かく別れているケースも少なくありません。カスタマージャーニーを行えば、メンバーの間で統一した見解を維持できる点にメリットがあります。
しかも、カスタマージャーニーは文字だけで記載された情報ではなく図式化されているので、複数のメンバーでも短時間かつ直感的に内容を理解できます。マーケターのみならず、社員全員が自社の顧客に関する理解を深めることができるでしょう。
顧客目線での施策が打てる
具体的なマーケティング施策を考案するためには、数字上の認識のみでは不十分です。自社製品やサービスありきの視点からマーケティングを考えるのではなく「顧客がなぜその商品を購入したり登録したりするのか」という顧客視点で施策を実行するために役立ちます。
カスタマージャーニーマップを作れば、自ずと顧客目線で物事を考えるようになります。また、顧客がどのように考えているか、どんな情報が顧客から求められているのかが明確になるでしょう。カスタマージャーニーマップは顧客の行動に関する仮説を社内で共有しつつ、どのようなチャネルを選択すべきか優先順位をつけて判断するのに有効です。
カスタマージャーニーのフレームワークを実行するには
カスタマージャーニーの内容が理解できたら、次のステップはフレームワークの実行です。具体的な方法は、以下の通りになります。
ペルソナの設計
前述のようにカスタマージャーニーは、顧客が商品を認知してから実際に購入や登録に至るまでのプロセスを「旅」になぞらえます。カスタマージャーニーを考える上で、その「旅」をする人つまり「ペルソナ」の設定が必要です。
- ペルソナに関する情報をあつめる
まず、ペルソナに関連する情報を集めましょう。この場合の情報は、既存の顧客について知っている情報でも良いですし、インタビューを実施したりアンケートを行なったりして集めます。ペルソナの役職や役割、勤めている業界や会社、プロフィールや購買の際に優先する項目など様々な情報を集めましょう。ここでのポイントは、ペルソナの行動に着目するだけでなく、行動に至った理由および動機に着目することです。
- 集めた情報を仕分ける
ペルソナの情報を適切に収集できたら、次はその情報について共通していると思われる特徴を分類していきます。具体的な項目として年齢および家族構成、年収といったデモグラフィックや価値観、自社の製品やサービスなどを利用する動機などが挙げられます。
- ペルソナにストーリーを出す
情報を仕分け、ペルソナのデモグラフィック情報や嗜好などを明らかにしたら、カスタマージャーニーマップへ落とし込んでいく前にストーリーを描きましょう。この場合のストーリーとは、ペルソナが商品もしくはサービスと出会うまでの物語です。毎日の生活においてどのような場面で出会うのか、想像力を膨らませながら意見をどんどん出しましょう。こうした手順を踏むことで、ペルソナが実在している人物であるかのようにストーリー内で動き出すことが理想的です。
カスタマージャーニーマップの作り方、使い方
続いて、カスタマージャーニーマップの作成方法ですが、ここではシンプルなフレームワークにすることが大切です。マップの横軸には顧客の「認知」や「興味・関心」、「比較・検討」および「行動」の各項目をマッピングし、縦軸には「接触ポイント」や「行動」、および「思考」を配置しましょう。顧客がいつ、どこで、何を、どのように体験しながら最終的に購入に至るかを時系列で並べて、顧客がその時にどう考えて、どう感じたのかを付け加えます。
なお、横軸と縦軸に並べる項目は、顧客の行動にそって思考あるいは感情などが適切に整理されているなら特にルールはありません。ただし、マップを作成した担当者以外の人でも理解しやすくなるような工夫が必要です。例えば、グラフで感情を示せば見る人もイメージしやすくなり、議論にも発展しやすくなって効果的です。
カスタマージャーニーの活用で利益向上を後押し
カスタマージャーニーを理解して実践することで、顧客目線での施策の立案や実行に繋げることが可能になります。多様化していく購買ニーズにも柔軟に対応でき、顧客獲得という成果が飛躍的に高まるでしょう。さらに、優良顧客やロイヤルカスタマーとなる可能性がある新規顧客の育成にも繋がり、カスタマージャーニーによって得られる便益は非常に大きいと言えます。
カスタマージャーニーというのはあくまでフレームワークであり、そこから更に進んだ顧客とのコミュニケーション戦略をとる必要があります。しかし、顧客情報がバラバラに管理されていると、思い通りの施策を実行できなかったり、顧客満足度を得られなかったりするかもしれません。
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