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顧客満足度との違いは?NPSの意味を解説

2025/12/05公開
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あなたは「この〇〇(製品、サービス、企業、ブランド等)を親しい人(友人や同僚)に薦める可能性はどのくらいありますか?0~10点で点数を付けてください。」というアンケートを目にしたことがあるのではないでしょうか。このアンケートこそNPS(ネット・プロモーター・スコア)を測定するためのものです。

顧客満足度と混同してしまいがちでのNPSですが、本記事ではその違いや使い方を解説していきます。

そもそもNPSとはなにか?

NPSとはお客さんの継続性、リピート率を知るための指標です。

NPSの算出・計算方法は以下のようになります。

まず、「この〇〇を親しい人に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問に対して、0から10点の11段階で評価してもらいます。

次に、この評価点を集計した結果を下記のように分類します。

  • 【批判者】 0~6点の評価を付けたユーザー
  • 【中立者】 7~8点の評価を付けたユーザー
  • 【推奨者】 9~10点の評価を付けたユーザー

そして、この「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値が「NPS」になります。

例えば、100人対象のアンケートで、

  • 批判者が10ユーザー=10%
  • 中立者が60ユーザー=60%
  • 推奨者が30ユーザー=30%

だった場合、30(推奨者の割合)-10(批判者の割合)=20
となり、
「20」がNPSということになります。

顧客満足度とどこが違うのか

NPSの計算方法を知っていても、顧客満足度と同じような意味のものだと捉えている方もいるでしょう。NPSが顧客満足度と違って優れている点は、長期的な視点での収益性が数値としてより反映されている点です。

単純な顧客満足度の場合、アンケートで高い評価を付けたユーザーでも、他に良い商品、サービスがあった場合は、それら他方、他社に移る可能性があります。つまり、高い顧客満足度がそのままリピート率や製品への高いロイヤルティを示すことには繋がりません。

それに対して、NPSの場合、高得点をつけた推奨者は、その商品、サービスをとても支持しているので、他の商品、サービスに移る可能性が低いとされています。NPSの数値が高ければ、高いリピート率があることを示し、収益性が高いと数値から判断できるということになります。

NPSの成り立ち

NPSの成り立ちを知れば、顧客満足度との違いもより深く理解できます。NPSは、アメリカの大手経営コンサルト会社ベイン・アンド・カンパニーのフレデリック・ライクヘルド氏が提唱したものです。ライクヘルド氏は顧客満足度について調査した結果、顧客満足度では企業の業績を満足に測定できないことが分かったのです。そして、この調査を元に顧客満足度の代わりなるものとしてNPSを提唱しました。つまり、企業の業績の指標として、顧客満足度の改良版として提唱されたのが、NPSなのです。

NPSのメリット

NPSのメリットは、計測しやすく分かりやすい点にあります。回答者も点数を付けるだけですし、データの集計も点数を計算するだけで済みます。そして、明確な数値としてデータが出てきますので、分かりやすいのです。また、数値の出し方もどこが実施しても同じで、統一指標として同じ業種の他社とも比べることができます。

業界別のNPSは、インターネット検索で調べればすぐに出てきますので、自分の会社が業界内でどのような位置に居るのか、客観的な数値で見ることができるのです。

NPSのデメリット

NPSのデメリットは、効果的なデータを集計するためには、何に対してNPSを出すかが重要になり、そのためには高い調査能力が必要になるということです。これは「この〇〇を親しい人に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問の「〇〇」をどう設定するのかによって、結果が左右されるということです。つまり自社のデータを一元管理し、精査する必要が出てきます。

その他にも、NPSは単体での評価だけではなく、業界平均などとの相対的な位置で見る必要がある点や日本人は中間点となる5に集まりやすいなどの傾向をきちんと前提条件として組み込んでおく必要などが挙げられます。また、今まで顧客満足度を計測している場合、いきなりNPSを導入しても、過去のデータとの比較ができないということもデメリットとなります。NPSを導入する場合、計測結果をきちんと管理し、過去のデータと比較できるというデータ運用のシステムも必要です。

そもそもアンケートをとる意味は?

あなたは「アンケートをとる意味は何ですか?」と聞かれて、明確に答えられるでしょうか?

この問いに明確に答えることができないようでは、せっかく今回NPSについて学んでも、知識を得ただけで終わってしまいます。「企業の業績の指標として、顧客満足度の改良版として提唱されたのが、NPS」と書きましたが、顧客満足度にも良い点はあります。
しかし、アンケートをとる目的がはっきりしていないと、顧客満足度を計測したほうが良い場合でも、「なんかNPSのほうが良さそう」という理由だけで、NPSを採用してしまうという本末転倒な事態を招くことも起こりかねません。

アンケートを活用するために

アンケートをとる大きな目的の一つとしては、「改善するため」ということが挙げられるでしょう。改善をするためには、過去との比較が必要となります。ただデータを蓄積するだけでは、何の意味も持ちません。きちんと過去と比較できるようにデータを保存し、検証したい時にすぐに検証できるようなデータ管理が必要です。
そのためにも、お客さんのデータを検索、調査しやすい形で一元管理できるシステムを持っていることが、前提条件となります。どのようなデータ管理システムを使うのか考えることは、アンケートを実施する際にはセットとなります。

アンケートをとることだけに注目するのではなく、アンケートをとった後にどのように活用し、反映させていくのかが大事です。
アンケートを効果的に活用するために、PDCAサイクルがうまく回るような設計を先に行いましょう。

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