営業DXとは?取り組むメリットや流れについて解説
- コンサルティング
営業活動をより効率的に進めたいなら、DX化を図るのがおすすめです。
当記事では、営業DXが必要な理由や取り組むメリットなどについて解説します。営業DXに興味がある人は参考にしてください。
目次
営業におけるDXとは
DXとは主に「ITが人々の生活に浸透し、よりよい方向に変化させる」ことを指す言葉です。営業活動においては、ITの力を借りて、顧客の購買行動や接点を最適化することが求められています。
より多くの成果を出すためには、利益につながる営業活動のDX化が必要とされています。
デジタル化との違い
デジタル化は人が行っていた業務の一部をITツールで代替し、効率化を図ることです。ITツールを導入し、定着すればデジタル化は成功とされています。
営業DXにおいて、ITツールはあくまで手段です。導入することが目的にならないように気をつけましょう。
営業部門にDXが必要な理由
ここでは、営業部門にDXが必要な理由について解説します。
生産性を上げるため
働き方改革や人手不足の影響によって、1人あたりの生産性を伸ばす必要性が高まっています。DX化によって業務効率が向上すれば、それだけ1人あたりの生産性を上げられるでしょう。また、業務を自動化させれば、最終的に企業全体の生産性の向上にもつながります。
BCPを充実させるため
BCPは「事業継続計画」を意味しており、企業が自然災害やテロなどの緊急事態に遭遇した際に、事業資産の損失を最小限にとどめる取り組みを指す言葉です。企業には、有事の際であっても、事業の継続や早期復旧が求められます。
DX化を進めておけば、緊急の事態が起こってもリモートワーク等で各自の業務を再開できる体制が整います。
変化に対応するため
近年、ビジネスのあり方が大きく変化しています。加えて、日本は少子高齢化が進んでおり、将来的に労働人数の減少が予想されているのが現状です。このような状況において、DXは時流の変化に柔軟に対応するためにも欠かせない取り組みです。
営業をDX化するメリット
営業のDX化には業務の効率化や売上の向上などさまざまなメリットがあります。ここでは、営業をDX化するメリットについて解説します。
業務を効率化できる
営業活動の基本となる取り組みは、見込み顧客に効率よくアプローチすることです。DX化によって営業データを管理・分析すれば、営業生産性が向上します。これにより、効率的な営業プロセスを構築できるでしょう。
また、販路拡大や業務のスピードアップをマンパワーに頼らずに実現できる可能性もあります。
属人化を防げる
営業は属人化しやすい業務でもあります。各々が「どの企業の誰にアプローチをしているのか」「商談がどこまで進んでいるか」など、業務の進捗状況は上司や同僚であっても把握しにくいでしょう。DX化を実現できれば属人化されていた業務を整理し、標準化することが可能です。
売上を伸ばせる
DX化を図ることで、時間的なコストを削減しつつ売上・利益の向上が見込めます。例えば、パーソナライズされたサービスの提供が可能になり、結果的に顧客満足度を上げられるでしょう。
また、DX化によって新規製品やサービスの開発にかけるお金と時間が生まれれば、早期に売上を立てやすくなります。
DX化を実現する方法
ここでは、DX化を実現する方法について解説します。実際にDX化を進める際の参考にしてください。
DXを実現できるツールを導入する
ツールを導入すると、DX化がスムーズに進んでいきます。DXに関わるツールは数多くあります。導入するツールは機能やコスト、目的などを考慮しつつ、自社に合っているものを選ぶとよいでしょう。
ツールを選定する際は、現場で実際にツールを使う従業員からヒアリングをして、必要な機能などを検討することをおすすめします。
DXに詳しい人材を用意する
DX化を図る際には専任の人材が必要です。必要な人材は、外部のコンサルタントやアドバイザーに依頼して確保するとよいでしょう。もし外部からの人材確保が難しい場合は、社内でデジタルに強い人材を抜擢し、研修やセミナー、勉強会などを行なってスキルアップを図る方法も考えられます。
営業DXで活用されるツール
営業DXに活用できるツールにSFAツールやCRMツールがあります。ここでは、それぞれの特長や機能について解説します。
SFAツール
SFAは「Sales Force Automation」の略で「営業支援」を意味しています。SFAツールは営業活動の効率化を目的としたツールです。自社の営業活動を一元管理し、日々の商談や売上予測、営業に費やす時間配分の見直しなどの営業行為・営業活動をスムーズに行う役割を果たします。
CRMツール
CRMは「Customer Relationship Management」の略で「顧客管理」を意味しています。CRMツールは、顧客と長期にわたって、良好な関係を構築・維持します。
導入すれば、顧客をデータベース上で一元管理し、見込み顧客の開拓や既存顧客からのリピート購買などの成果につなげられます。
営業でDXを進める流れ
実際に営業でDXを進める際には、大きく分けて4つのステップにわけられます。ここでは、営業でDXを進める流れについて解説します。
プロジェクトチームを立ち上げる
営業でDXを進める際には、まず営業DX導入の目的を明確にしたうえで、プロジェクトチームを立ち上げましょう。立ち上げの際にはプロジェクト全体のリーダーを選定し、営業、IT、データ分析、マーケティングなど、各部門から適任者を選抜してチームを編成します。
営業プロセスを可視化する
プロジェクトチームを立ち上げたら、営業プロセスの可視化を行いましょう。リード(見込み客)の獲得からリードへの訪問や商談を経てクロージング、受注(または失注)に至るまでの一連の営業プロセスを明確にします。この段階を経ることで、今後の方針がより明確になります。
課題を洗い出す
営業プロセスを可視化したら、その内容を分析して現状の課題を洗い出しましょう。課題を洗い出す際には、考えうる課題を具体化していくプロセスが大切です。課題が明確になれば、解決策も立てやすくなるでしょう。
解決策を実行する
課題を挙げたら、課題を解決するための施策を実行します。営業課題を把握したうえで課題に優先順位をつければ、取り組みがスムーズに進んでいきます。
施策を立てて実行した後は、効果検証を実施しましょう。これにより、同じ施策を続けるべきか、別の施策を打つべきかが明確になります。
DX化に成功した事例
DX化に成功した事例を2つ紹介します。DX化による具体的な効果について参考にしてください。
富士通
富士通は営業を撤廃し、代わりにビジネスプロデューサー職を設置しました。役割としては、顧客のニーズを深く理解し、戦略的な提案を行う役割を担っています。これにより、営業の負担を軽減し、より効率的かつ効果的な提案活動が可能になりました。
また、インサイドセールス部隊の立ち上げも行っています。これにより、営業職の業務を減らすことに成功しました。
NTT東日本
NTT東日本は営業活動の内製化に向け、NTTデータが持っている豊富な経験やノウハウに着目しました。これにより、外部依存を減らしつつDXを推進する体制を整えました。
また、インサイドセールス部門だけで商談がクローズできる体制を作り上げています。デジタル技術を駆使することで、リモートでの顧客対応や契約締結が可能になり、営業活動全体が大幅に効率化されました。
DX化を図る際の注意点
ここでは、DX化を図る際の注意点について解説します。
関連部署と連携して進める
営業部門のDX推進は、営業部門だけが関わるものではありません。関連部署にも多くの変化が生まれます。そのため、導入意義や導入後の変更箇所などに関して、互いに認識の齟齬がないようにコミュニケーションを密に取りましょう。
効果測定を実施する
営業DXは、ツールやシステムを導入して終わりではありません。大切なのは効率化によって成果を出すことであり、そのためには効果測定と改善が必要です。ニーズとのミスマッチを防ぐため、効果を継続的に検証していきましょう。
BtoB向けECを作成するメリット
DX化に向けた具体的な取り組みには、BtoB向けECの作成が挙げられます。BtoB向けECを作成するメリットは、以下のとおりです。
- 新規顧客を獲得できる:BtoB向けECサイトを作成すれば、より広く顧客にアプローチ可能となり、新規顧客を獲得しやすくなる
- 業務の負荷を軽減できる:BtoB向けECサイトを作成すれば、受注データなどの管理が自動化され、業務効率が大幅に向上する
- 既存顧客からの受注が増える:ECサイトを利用することで、既存顧客は24時間いつでも商品を注文できるようになり、結果的に売上がアップする など
まとめ
営業活動をより効率的に進めるためにも、DX化は有効な手段です。自社の状況にあわせて取り組みを行うことで、業務の効率化だけでなく顧客満足度や売上の向上が期待できます。
営業DXを進めたい際には、SCSKにご相談ください。SCSKでは、導入前のコンサルティングだけでなく、導入後の保守運用まで一貫した提供が可能です。BtoB向けECと社内のシステムを連携しDX化をスムーズに進むるためのノウハウをご提供いたします。営業DXに興味がある人は、まず一度お問い合わせください。