BtoBデジタルマーケティングとは?メリットや課題、代表的な手法も解説
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BtoBデジタルマーケティングとは、デジタル技術を活用したマーケティングを企業間で行うことです。この記事では、BtoBデジタルマーケティングの実施を検討している人に向けて、BtoBデジタルマーケティングの概要や重要視される理由、メリット、課題、プロセスなどを解説します。加えて、活用できるツールやBtoBデジタルマーケティングの手法、導入のステップについても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
「BtoBデジタルマーケティング」とは何か
BtoBとは「Business to Business」の略称です。日本語では「企業間取引」を表します。デジタルマーケティングとは、デジタル技術を活用したマーケティング手法です。BtoBデジタルマーケティングとは、BtoBにおいてデジタルマーケティングをすることを指します。
「デジタルマーケティング」と「Webマーケティング」との違い
デジタルマーケティングと混同されやすい言葉に「Webマーケティング」があります。両者の違いはマーケティングを行う「範囲」です。Webマーケティングは、WebサイトやWeb広告など、Webのなかで行うマーケティング手法を指します。
対してデジタルマーケティングはWebのなかだけでなく、スマートフォンをはじめ、オフラインとデジタルを連携するなど、あらゆるデジタル技術を活用したマーケティング手法です。
「デジタルマーケティング」と「コンテンツマーケティング」の違い
コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値あるコンテンツを制作することであり、顧客獲得や自社のブランディングなどを図るマーケティング手法です。コンテンツマーケティングはデジタルコンテンツだけでなく、チラシやDMなどアナログのコンテンツも含みます。
BtoBデジタルマーケティングが重要視される理由
BtoBデジタルマーケティングが重要視される理由は、多くの人がGoogleなどを用いてWeb検索したり、企業のWebサイトやWeb資料などから情報を収集したりすることができるようになったためです。
購入者は営業担当者に会う前に、購買プロセスの57%が済んでいるといわれており、商品やサービスを購入する際に情報収集を事前に行っています。そのため、オフラインだけではなく、Web上やデジタル技術を活用して商品・サービスの情報を配信することが重要です。
BtoBデジタルマーケティングの4つのメリット
BtoBデジタルマーケティングには、以下のようにさまざまなメリットがあります。
顧客によって個別のアプローチが可能
顧客ごとにアプローチを変えられることが、BtoBデジタルマーケティングの魅力です。BtoBデジタルマーケティングでは、顧客の属性や行動履歴などの情報を蓄積して分析できます。リード管理機能、メール配信機能の活用など、MAやSFAなどのツールを活用することでより効果が見込めます。
業務を効率化できる
企業への訪問、テレアポ、展示会などの従来の手法では、コストや手間がかかります。一方、Webサイト、Web広告、ウェビナー、自動メール配信などのデジタルな手法は、担当者が出向いたり、電話をかけたりする必要がないため業務の効率化が可能です。短い時間で多くの商談につなげられる可能性があります。
コストの削減が図れる
デジタルマーケティングの場合はWebサイト、Web広告、SNSなど、コンテンツを制作すれば、多くの人にアプローチできて長く利用できます。企業への訪問、テレアポ、展示会などに比べてコスト削減につながることもメリットです。
顧客との接点が増え、宣材顧客にもアプローチできる
企業への訪問、テレアポ、展示会などの従来の方法では、接点を持てる顧客数に限りがあります。デジタルマーケティングは人数の制限がないため、顧客との接点を増やせることが魅力です。商品・サービスへの認知度も高まり、宣材顧客へのアプローチや育成にもつながります。
BtoBデジタルマーケティングの課題
BtoBデジタルマーケティングは多くのメリットがある一方で、課題もあります。たとえば、新規リード獲得数が伸びない場合は、商品やサービスに合う施策を選択できていないことが考えられるため、再度検討しなおさなければなりません。
Webサイトへの流入は増加しているけれど、CVが伸びない場合は、CVへの動線がスムーズでないことが考えられるため、CRO施策を見直すなど外注なども含めて検討する必要があります。
BtoBデジタルマーケティングの3つのプロセス
BtoBデジタルマーケティングは、3つのプロセスで構成されています。1つ目のプロセスは、新たなリード(見込み顧客)を作り出す「リードジェネレーション」です。獲得したいリードの層に合わせて、メール配信やウェビナーなどの手法を選びます。
リードジェネレーションで獲得したリードを顧客へと育成するプロセスが、2つ目のステップである「リードナーチャリング」です。繰り返し接点を持ち、信頼を獲得していきます。
リードナーチャリングしたリードから、顧客となる可能性の高いリードを絞り込むプロセスが3つ目の「リードクオリフィケーション」です。リードが起こした行動をもとに選定していきます。
BtoBデジタルマーケティングに活用できる3つのツール
BtoBデジタルマーケティングを効率良く運用していくためには、以下のようなツールを活用すると便利です。
MA(マーケティングオートメーション)ツール
MAとは、マーケティング業務を自動化して効率化を図るツールです。たとえば、ランディングページやフォームを作成してリードを獲得する機能、SFAやCRMと連携したりスコアリングしたりしてリードを管理・分類する機能、Web上で行動追跡するデータ分析などの機能があります。
SFA(営業支援システム)ツール
SFAとは、営業活動を自動化し、効率化を図るツールです。営業業務の支援と顧客管理の機能の両方を兼ね備えています。たとえば、案件情報を管理や見積もりを作成する案件管理の機能、進捗を管理する商談管理機能、予定表や営業活動を管理する行動管理機能、顧客へのメール配信を行う機能などがあります。
CRM(顧客関係管理)ツール
CRMとは、顧客情報を一元管理し、分析するツールです。顧客の基本情報に加えて、商談などの履歴を管理する顧客管理機能、取引の進捗状況や取引額などを管理する案件管理機能、メールを用いて顧客へ情報発信を行う配信機能、蓄積された顧客データをさまざまな切り口で分析するデータ分析機能などがあります。
BtoBデジタルマーケティングの手法【5選】
BtoBデジタルマーケティングにはさまざまな手法がありますが、主に活用される5つの手法を解説します。
1.SEO対策
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称であり、検索エンジン最適化を意味します。Googleなどの検索エンジンにおいて、検索結果のページに自社の情報を上位に表示させる施策です。多くのユーザーの目に留まるようにすれば、集客はもちろんのこと、商品・サービスの認知拡大などが期待できます。
2.SNS
SNSで商品・サービスなどの情報発信をする手法です。SNSから自社のWebサイトへの流入や資料のダウンロードを促すなど、リードの獲得が期待できます。X(旧Twitter)、Instagram、LINE、Facebookなど、閲覧者の属性に適したものを選択すると効果的です。
3.Web広告
Web広告とは、Webサイトやアプリ、検索結果などに表示される広告の総称です。Web広告の種類には、リスティング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告、リターゲティング広告、SNS広告など多くの種類があります。ユーザーの属性や関心などによって、ターゲットを絞って配信できるのがメリットです。
4.メールマーケティング
メールで商品やサービスに関する情報を配信する手法です。メールマガジン、ステップメール、営業メールなどの種類があります。いずれもメールアドレスや氏名などの情報を入力してもらわなければならないため、自社に興味のあるリードを獲得できます。有益な情報を提供すれば、リードナーチャリングすることも可能です。
5.ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、宣在顧客や見込み顧客に向けに役立つ知識やデータなどの情報をまとめた資料です。自社のWebサイトにダウンロードページを設置し、フォームに企業名・担当者名・連絡先などを入力してもらうことでリードの獲得ができます。
BtoBデジタルマーケティング導入のステップ
BtoBデジタルマーケティングを導入する際は、以下の流れで実施するとスムーズです。
- 目的・目標を設定する:活動の目的と目標を明確にしてスタッフが共通認識を持つ
- ペルソナを設定する:自社製品・サービスを購買するターゲット企業や担当者を設定する
- カスタマージャーニーマップを作成する:顧客の購買行動の過程を分析する
- 施策を実施する:仮説に基づいて実際に実行する
- 効果測定:改善すべきポイントを割り出して次につなげる
BtoBデジタルマーケティング実施のポイント
BtoBデジタルマーケティングを効率よく行うには、以下のようなポイントに注意することが大切です。
スモールスタートで実施する
最初から会社全体で実施するとうまくいかないケースもあります。まずは担当者を決めたうえで、試験的に少しずつ始めることがおすすめです。成果があれば、他部署の協力も得やすくなります。
部門間で連携して進める
マーケティング部門と営業部門が連携することが大切です。連携が取れていないと営業活動の効率が落ちたり、上手なアプローチができなくなったりします。部門間の連携を強化することで、獲得したリードを商談につなげる確率を高められます。
PDCAを回していく
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)です。施策を実施したら終わりではなく、改善点を割り出してPDCAを回し続けましょう。
まとめ
BtoBデジタルマーケティングは、個別のアプローチがしやすく、さまざまな手段・ツールがあります。自社の状況に合わせて、適切な方法を模索しましょう。
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