BtoBのECサイトを構築する方法とは?メリットや事例、注意点についても解説
- コンサルティング
よりスムーズに顧客との取引を進めたいなら、BtoB ECサイトの立ち上げがおすすめです。本記事では、BtoB ECサイトの概要や具体的な構築方法などについて解説します。
BtoB ECサイトの構築を検討している人は参考にしてください。
目次
BtoB ECサイトとは
BtoB ECサイトとは、企業間での取引をオンライン上で行うためのECサイトを指します。BtoB ECサイトの主な目的は、業務の効率化と売上の拡大です。手動で行う作業が少なくなり、スムーズに業務を行えます。
EDIとは
EDIとは、紙媒体の帳票や書類を電子化し、企業間でデータを交換するシステムであり、企業間で取引を行うBtoB ECの1種です。EDIを導入することで、データの送受信がスムーズになり、業務の効率化を図れます。
BtoC ECサイトとの違い
ここでは、BtoC ECサイトとの違いについて解説します。
対象
BtoC ECサイトは、一般消費者を対象にしたプラットフォームです。誰でもアクセス可能なオープンな形式で運営されており、利用者は商品を選び、購入できます。一方、BtoB ECサイトは企業間取引を目的としており、特定の取引先企業だけがアクセスできるクローズドな形態です。
機能
BtoB ECサイトには、掛率管理機能や販路管理機能が備わっています。機能の特徴は、以下のとおりです。
- 掛率管理機能:取引先ごとに異なる掛率を設定する機能
- 販路管理機能:取引先ごとに表示する商品を設定する機能
一方、BtoC ECサイトには掛率管理機能などはなく、どのユーザにも同じ価格が表示されます。
決済方法
BtoC ECサイトの主な決済方法としては、クレジットカード決済や代金引換などが挙げられます。一方BtoB ECサイトでは、銀行振込による前払いや掛け売りなどの決済方法が用意されています。
BtoB ECの市場規模
ここでは、BtoB ECの市場規模について解説します。
日本の市場
2023年における日本のBtoB EC市場規模は、465兆2,372億円に達しています。この数字からも、国内の多くの企業が取引のオンライン化を進めていることがわかるでしょう。日本のBtoB EC市場は年々成長を続けています。
- ※参考:令和5年度電子商取引に関する市場調査報告書|経済産業省
世界の市場
2022年における世界全体でのBtoB EC市場規模は、5.44兆USドルに達しました。新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業がオンライン取引に移行したことが需要拡大の大きな要因となっています。
- ※参考:令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書|経済産業省
BtoB ECサイトの種類
ここでは、BtoB ECサイトの種類について解説します。
クローズド型
クローズド型のBtoB ECサイトは、特定の取引先に限定して利用されるサイトです。一般消費者や非取引先企業はアクセスできません。特定の業界や取引先と独自の条件で取引を行いたい場合に向いています。
スモール型
スモール型のBtoB ECサイトは、比較的小規模な取引を目的としたサイトです。機能を必要最低限に絞り込むことで、初期費用や運用コストを抑えられます。限られた予算でECサイトを活用したい企業におすすめの選択肢です。
マーケットプレイス型
マーケットプレイス型のBtoB ECサイトは、多くの企業が集まり、商品の売買を行うプラットフォームです。複数の企業が参加しているため、顧客の新規開拓がしやすいでしょう。ただし、競合他社も同じプラットフォーム上にあるため、価格やサービスの差別化が難しい場合があります。
BtoB ECサイトを構築するメリット
ここでは、BtoB ECサイトを構築するメリットについて解説します。
新たな顧客にアプローチできる
BtoB ECサイトを活用することで、これまで接点がなかった新規顧客へのアプローチが可能になります。ECサイトが使いやすければ顧客満足度の向上につながり、リピーターの増加や購入単価の向上も期待できます。
業務がスムーズに進む
ECサイトを活用すれば受発注のプロセスを自動化できるため、リソースを他の重要な業務に充てられるようになります。また、手作業による入力ミスのリスクも低減できるため、正確性が向上し、トラブルの防止にもつながります。
BtoB ECサイトを構築する方法
ここでは、BtoB ECサイトを構築する方法について解説します。
ASP型
ASP型は、既存のEC構築サービスを利用してECサイトを立ち上げる方法です。用意されたテンプレートや機能を活用するため、比較的短期間でECサイトを構築できます。しかし、提供される機能には制限があるため、自由度はあまり高くありません。
パッケージ型
パッケージ型は、あらかじめパッケージ化された内容をベースにサイトを作る方法です。この形式では、必要に応じてサイトのカスタマイズが可能です。そのため、大規模なサイトにも対応でき、柔軟な設計ができます。
オープンソース型
オープンソース型は、無料で公開されているオープンソースを使ってECサイトを構築する方法です。この形式では、初期コストを大幅に抑えられる点が魅力です。また、ソースコードが公開されているため、自社の要件に合わせて自由にカスタマイズできます。ただし、構築や運用には専門的なスキルが求められます。
クラウド型
クラウド型は、クラウド上にあるECプラットフォームを利用してサイトを構築する方法です。サービス提供者によって定期的にシステムがアップデートされるため、常に最新の機能やセキュリティ対策が利用できます。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、既存のサービスを使用せず、一から独自にECサイトを開発する方法です。この形式では、あらゆる要件に応じた完全オリジナルのECサイトを構築できるため、複雑な仕様にも対応可能です。その分、コストや手間も他の形式より大幅にかかる点がデメリットです。
BtoB ECサイトを構築する手順
ここでは、BtoB ECサイトを構築する手順について解説します。
目的を決める
BtoB ECサイトを構築する際は、まず立ち上げの目的を明確にしましょう。販路を拡大したい、新規顧客を獲得したい、業務を効率化したいなど、目的によってサイトの設計や顧客に対して提供する機能が変わります。
要件定義
目的が決まったら、それを達成するための要件を定義します。どのような機能が必要なのか、どの業務を効率化したいのかなど、ECサイトを構築するための条件や課題を洗い出します。具体的な業務フローをイメージしながら、中長期的な運用を見据えた視点で考えることがポイントです。
設計・開発
要件定義の内容をもとに、サイトの設計と開発を進めましょう。この段階では、選んだ構築方法(ASP型、オープンソース型など)に応じて、カスタマイズの規模や開発にかかる期間などによって異なります。
運用開始
開発が完了したら商品の登録やテスト注文を行い、動作確認をします。この段階で、ユーザがスムーズに操作できるか、機能に不具合がないかなどのチェックが大切です。問題がなければ、いよいよ運用を開始します。運用開始に合わせて社内外に告知し、ECサイトの認知を広めましょう。
BtoB ECサイトの成功事例
ここでは、BtoB ECサイトの成功事例について解説します。
モノタロウ
モノタロウは、工具や作業用品などを取り扱う業界でも大手のECサイトです。幅広い商品数を保有しており、検索機能も使いやすいため、顧客は迅速にニーズに合った商品を見つけられます。
アスクル
モノタロウは、工具や作業用品などを取り扱う業界でも大手のECサイトです。幅広い商品数を保有しており、検索機能も使いやすいため、顧客は迅速にニーズに合った商品を見つけられます。
フーヅフリッジ
フーヅフリッジは、食品や食材を扱っており、使いやすいUIのECサイトを運営している点が特徴です。カテゴリー別やキーワード別、ブランド別に検索できるため、スムーズな買い物が実現できます。
タジマヤ卸ネット
タジマヤ卸ネットは、菓子を中心として食品や日用品を販売しているECサイトです。飲食店向けの卸売を行っており、産地直送の食品なども取り扱っています。
熊本馬刺しドットコム
熊本馬刺しドットコムは、株式会社利他フーズによって運営されている馬刺し専門のECサイトです。メルマガを発行するなど、ブランド認知のための取り組みも積極的に行っています。
MISUMI
MISUMIは、製造業を営んでいる企業をターゲットとしたECサイトです。工具や消耗品などを取り扱っており、多数の在庫を抱えているため顧客の急なニーズに対しても迅速に対応し、発送可能です。
カウネット
カウネットは、文房具を中心とした各種消耗品・備品を取り扱っているECサイトです。日用品・生活雑貨や文房具・事務用品、オフィス家具・収納などカテゴリ別に商品が分かれており、目的に応じて商品を見つけられます。
ニトムズ
ニトムズは、ECサイトを通して小売店向けに卸売を行っています。さまざまな商品を幅広く展開しているだけでなく、複数の決済方法に対応しているため利用しやすい点が特徴です。
BtoB ECサイト構築にあたっての課題
ECサイトを立ち上げるためには、コストや知識が必要です。コストは構築方法によって異なり、たとえばフルスクラッチ型であれば数億円かかるケースもある点を押さえておきましょう。また、運用開始後にはマーケティングの知識も求められます。
BtoB ECサイトを構築する際の注意点
ここでは、BtoB ECサイトを構築する際の注意点について解説します。
セキュリティ対策を万全にする
BtoB ECサイトを構築する際に、セキュリティ対策は重要なポイントです。サイバー攻撃や不正アクセスによる情報漏洩が発生すると、顧客や取引先の信頼を失うだけでなく、損害賠償のリスクを抱えることになります。セキュリティについては万全の体制を整えてからサイトを立ち上げる必要があります。
社内外へのサポートを徹底する
BtoB ECサイトを円滑に運用するためには、社内外への十分なサポートが欠かせません。社内では、運用担当者がスムーズに操作できるようにマニュアルを作成しておくことが必要です。一方で、既存顧客に対しても、従来の受発注プロセスからECサイトへの移行をスムーズに進めるためのサポートが求められます。
営業ツールとして活用する
BtoB ECサイトは単なる受発注プラットフォームではなく、営業ツールとしても活用できます。サイトを通して得られる顧客情報を活用し、営業担当者と連携することで、顧客のニーズに合わせた提案や施策を実施可能です。
まとめ
BtoB ECサイトは取引を効率化し、売上拡大やコスト削減を実現する便利なツールです。ECサイトを構築することで、顧客満足度の向上や新規顧客の獲得が期待できます。
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