販売店ポータルサイトとは?運用におけるポイントやよくある課題について解説
- コンサルティング
製品やサービスは、それらを「売る場所」がなければ売上が立ちません。そのため、メーカーや卸売業にとって、販売店の管理は重要な課題の1つです。本記事では、販売店の管理に役立つ「販売店ポータルサイト」について詳しく解説します。
目次
販売店ポータルサイトとは?
販売店ポータルサイトとは、メーカーや卸売業者などの企業が販売店に向けて開設するWebサイトのことです。自社の製品・サービスの販売・提供を委託する販売店に向けて、効果的に販売するために必要な情報を提供することを目的としています。
販売店ポータルサイトの主な機能
販売店ポータルサイトには、主に次のような機能があります。
- 商品情報の提供:製品やサービスの情報を共有する機能
- 検索機能:販売店が必要な情報を検索するための機能
- 資料のダウンロード機能:製品カタログやマニュアルなどの資料をダウンロードする機能
- サポート機能:FAQやチュートリアルなど、販売店の課題解消をサポートする機能
- データの蓄積・分析機能:販売実績や顧客データなどの情報を蓄積・分析する機能
- 掲示板機能:販売店同士のコミュニケーションや情報共有の場を提供する機能
販売店ポータルサイトを作成するメリット
販売店ポータルサイトを作成するメリットは主に次の3つです。
業務効率がアップする
販売店ポータルサイトでは、すべての販売店に対して情報を一括で発信できます。従来のような個別のやりとりと比べて手間がかからず、企業と販売店双方の負担を軽減することが可能です。
また、受発注や在庫確認の問い合わせなどの業務もデジタル化されるため、双方の業務効率も高まります。電話やメールなどの従来の問い合わせ方法が残されるため、過去に発生した問い合わせにはポータルを活用し、デジタルで対応できない新たな問い合わせには従来の方法で対応するなど、柔軟な使い分けが可能です。
販売店ごとの活動状況や売上を把握しやすい
サイト内の資料のダウンロード数などを見ることで、販売店の活動状況を把握できる点もメリットです。
販売活動を積極的にしている店舗を把握しつつ、販売店ごとの売上目標や目標の達成状況も可視化できます。そのため、予算を集中させるべき部分と削減すべき部分が明らかになり、予算管理の最適化にもつながるでしょう。
販売支援を強化できる
販売店にとって必要な情報を迅速に提供できるようになるため、販売支援を強化できます。営業活動をより適切にサポートできるようになり、双方の売上にプラスの効果を期待できるでしょう。
販売店ポータルサイトの構築手順
販売店ポータルサイトは、おおむね以下のような流れで構築されます。
1.計画・設計
まずは、自社の現状の課題や改善点を把握し、販売店ポータルサイトを導入する目的を明確化しましょう。また、サイトの要件定義書やシステム設計書などを作成します。
2.システム開発
サイトの設計が完了したら、次は開発のフェーズです。計画・設計で作成した資料や要件をもとに、システムの開発を進めていきます。開発にはスケジュールに余裕をもたせて、取り組みましょう。
3.テスト・修正
システムが正常に稼働するかテストします。また、機能性やユーザビリティなどの確認も行いましょう。必要に応じてシステムを修正し、問題なく利用できるようになるまでテスト・修正を繰り返します。
4.運用・評価
すべての修正と調整を終えたら、いよいよサイトの運用を開始します。なお、販売店ポータルサイトは開設して終わりではなく、定期的に効果測定をすることが大切です。
販売店ポータルサイトの運用におけるポイント
販売店ポータルサイトの運用では、次のようなポイントを押さえましょう。
- 共通のビジョンや目標を共有する
- 情報を素早く更新できるシステムを構築する
- UIの設計にこだわる
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
共通のビジョンや目標を共有する
販売店ビジネスでは、企業と販売店が共通のビジョンや目標を共有し、戦略的なパートナーシップを築くことが大切です。これらを達成するために、販売店とのミーティングの機会を定期的に設け、今後の戦略や売上目標などを一緒に策定するとよいでしょう。この段階で円滑なコミュニケーションが図れていれば、販売店ポータルサイトもスムーズに構築できます。
情報を素早く更新できるシステムを構築する
販売店ポータルサイトに掲載する情報は、鮮度が重要です。
最新の情報をスピーディに届けられるよう、情報を素早く更新できるシステムを構築しましょう。販売店が的確な販売活動を行えるよう、タイムリーな情報を発信する必要があります。
UIの設計にこだわる
販売店ポータルサイトを立ち上げても、使い勝手が悪いと販売店になかなか利用してもらえない可能性が高まります。
UI(ユーザインターフェース)の設計にこだわり、販売店にとって使いやすいサイトを構築しましょう。たとえば、直感的に操作できるつくりにする、使用頻度の高い機能にアクセスしやすくするなどの方法が考えられます。
販売店ポータルサイトにおけるよくある課題
販売店ポータルサイトには、次のような課題がつきものです。
強固なセキュリティ対策が必要
販売店ポータルサイトでは、機密性の高い情報を多く扱います。万が一、情報が漏洩した場合は、企業の信用失墜につながるでしょう。
そのため、販売店ポータルサイトを構築する場合は、いかにセキュリティ対策を万全にするかがカギとなります。
販売店のサポートにリソースを割く必要がある
販売店ポータルサイトを開設したあとも、販売店に対しては継続的なサポートが不可欠です。なお、専門のサポートチームを配置するなどの対応が求められるため、企業側のリソースが圧迫されてしまう可能性があります。特に、多くの販売店を抱えている場合は、それだけ負担も大きくなるでしょう。
導入・維持にコストがかかる
販売店ポータルサイトの導入には、コストがかかります。加えて、維持管理やサポート、メンテナンスやアップデートなどに関するランニングコストも発生する点も留意しなければなりません。比較的小規模な事業者の場合は、このようなコストが負担となる可能性もあるため、サイト開設の必要性も含めてよく吟味することが大切です。
販売店ポータルサイトの活用事例
最後に、日本国内における販売店ポータルサイトの活用事例を紹介します。
日本マイクロソフト株式会社
マイクロソフトの日本法人である「日本マイクロソフト株式会社」では、パートナー向けのポータルサイトを開設し、ニュースレターやコミュニティなど、さまざまなコンテンツを提供しています。各分野の企業が参加するコミュニティもあり、ノウハウの共有が積極的に行われている点も特徴です。
SB C&S株式会社
SB C&S株式会社は、アメリカのVMwareが提供するソリューションの販売において、日本国内で高い実績を誇る企業です。
販売店を対象にVMware専用ページを用意し、パンフレットや導入事例など、販売活動に役立つ資料をまとめています。
まとめ
販売店ポータルサイトを導入すれば、販売店とのコミュニケーションを効率化でき、販売支援を強化することも可能です。最新の情報をパートナー企業などに提供できるため、近年は製造業での導入も進んでいます。販売店ポータルサイトで販売店ビジネスを加速させ、自社の売上アップを実現しましょう。
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