Sitecore CDP/Personalizeで実現する顧客体験最適化とは
- CMS
顧客データを収集し、データをもとにwebサイトのコンテンツを顧客ごとに最適化するためのサービスの一つとして「Sitecore CDP」と「Sitecore Personalize」があります。
SaaS形式で提供されており、それぞれ単体での利用も組み合わせての利用も可能で、webサイトに指定のタグを埋め込むだけで導入できます。
Sitecore CDP、Personalizeの概要や特徴についてはこちらの記事でもご紹介させて頂きました。
今回は、より具体的に「何ができるのか」「どのように使うのか」をご紹介したいと思います。
目次
Sitecore CDPでできること
SitecoreCDPでは、様々なデータソースから顧客データを収集し、統合できます。
また、レポート機能を用いてwebサイトの現状やwebサイトを訪問した顧客の行動を分析することも可能です。
それぞれについて詳しくご説明します。
データ収集、統合
- データ収集
Sitecore CDPでは、各種APIを通じてwebサイトからリアルタイムに顧客のデータを収集します。
APIでは顧客のプロファイルデータ、行動データ、注文データを収集できます。- プロファイルデータ:氏名、メールアドレス、生年月日など。独自の項目を追加することも可能。
- 行動データ:webサイト上での顧客の行動履歴。ページビュー、クリック、検索など。
- 注文データ:ECサイト等での、顧客の商品注文関連データ。購入までの行動履歴、購入内容など。
webサイトなどの各データソースからデータを収集すると、パーソナライズの基となる顧客プロファイルがCDP上に作成されます。
また、顧客マスタのデータやオフラインの行動データについて、それらのファイルをSitecore CDPにアップロードし大量データをバッチ処理で取込むことも可能です。
収集された顧客のデータは、以下のような形でゲストプロファイル画面で確認できます。
- セグメンテーション
セグメンテーションとは、顧客を特定の属性ごとに分類しグループ(セグメント)を作ることを指します。
SitecoreCDPでは、画面上で条件を設定していくだけで簡単にセグメンテーションを行えます。
例えば、「ある特定の商品を購入した」という条件を設定し顧客をセグメント化します。
作成したセグメントに対して分析を行うことで、商品購入に至るまでの顧客の行動パターンや、どういった属性の顧客が購入に至っているのかといった仮設を立てやすくなります。
また、後述するSitecore Personalizeでセグメントを活用し、特定セグメントに属する顧客を対象にwebサイトのパーソナライズを行うことも可能です。
分析
SitecoreCDPにはレポート機能があり、webサイトのパフォーマンス分析が可能です。
いくつか主要なものをご紹介します。
- サマリーレポート
指定した期間にサイトを訪問した顧客の内訳や、商品購入の内訳、webサイトのセッション数やCV率などをグラフで表示。
季節の影響や期間限定キャンペーンのパフォーマンスを測る際などに使用できます。 - トラフィックレポート
直近7日間のサイトのパフォーマンスに関するデータをグラフで表示。
離脱率が高いページや、閲覧数が多いページの分析などに使用できます。
Sitecore Personalizeでできること
Sitecore Personalizeでは、各種チャネルにおけるパーソナライズしたコンテンツの提供やA/Bテストの実施により顧客体験を最適化することができます。
提供できるパーソナライズの種類としては以下のようなものがあります。
- webサイト上での顧客体験
ポップアップでのコンテンツ表示、サイドバー表示など。 - webサイト外での顧客体験
メールやプッシュ通知の送信。- ※外部のメール送信プロバイダー等との連携が必要。
例えば、顧客のタイムゾーンに応じて日時表記を出しわけてwebサイト上にメンテナンスのお知らせを表示したり、特定の商品を購入している顧客に対して関連する商品をレコメンドするメールを送信したり、といったことができます。
顧客体験は以下のような画面でノーコードで設定できます。
- Experiment variants
CDPの顧客プロファイルを元にした顧客体験を、どのUIを使って提供するかを設定。複数設定して表示配分を設定することでA/Bテストとすることも可能。
事前に用意されたテンプレートから様々なUIを選択できる。 - Page Targeting
サイト上の、どのページを対象に顧客体験を提供するかを設定(例:URL文字列の部分一致で指定)。 - Filter
顧客体験を提供する対象の訪問者を絞り込む際に設定する。(例:UTMパラメータをみて、特定のキャンペーン経由の訪問者のみに絞り込む) - Decisioning
パーソナライズ内容を決定するビジネスロジック※を設定する。
例えば、直近のサイト内検索キーワードをもとに最適な商品をレコメンドするなど複雑なロジックを用いた顧客体験を提供したい場合に設定します。 - Goals
本施策を定量評価するためのWEBサイトでのKPIを定義する。(複数定義可能)- ※ビジネスロジックは以下のような画面でモデリングツールを使って定義でき、複雑なコードの実装は不要です。
まとめ
Sitecore CDP/Personalizeを使用すれば、複雑な開発を行うことなく顧客データの収集とデータに応じたコンテンツパーソナライズを実現できます。
パーソナライズ施策の設定は、事前に用意されたテンプレートを使用してノーコードで完結するので、開発者以外のマーケティング担当者などが実施することも可能でアイディア実現までの期間の短縮にもつながります。
A/Bテストやレポート機能など、webサイトのパフォーマンス分析のための機能も備わっているので、施策に対してPDCAサイクルを回しより最適な顧客体験を追求・提供することが可能です。
Sitecore CDP/Personalizeについてもっと知りたい方は是非WEBSASにお問い合わせください!